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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるペルー地震の観測の結果について
平成19年8月16日午前 8時41分頃(日本時間、以下同じ)、ペルー国リマの南南東145kmのペルー中部の沿岸部沖合で、深さ39kmを震源とするM8.0の地震が発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)により8月27日観測したデータを解析した結果、被災地の地殻変動パターンを確認しましたので、ここにお知らせします。
【図・左】は、平成19年8月27日13時1分頃に取得した「だいち」搭載のパルサー(PALSAR)*1の画像データ【図・右】と、平成19年7月12日に同じくPALSARで取得した画像データを差分干渉処理*2させて得た地殻変動図です。これは7月12日から8月27日までの46日間における、衛星-地面間の距離の伸び縮み具合を面的に色で表したものです。震源の南南東にある半島(パラカス半島(Peninsula de Paracas))先端部では、衛星と地面との距離が最大約1.3m縮んだ(地面が衛星に近づいた)ことが観測されました。このことは隆起を含んだ地殻変動を表しています。*1 パルサー(PALSAR):
フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ。衛星から発射した電波の反射を受信するマイクロ波センサで、夜や曇天時も撮影が可能です。
*2 差分干渉処理:
レーダは地面との距離を測ります。2回の観測の差が距離の差になりますので、地震や地盤沈下等によって発生した地面の陥没や隆起を知ることができます。
【図左】青 → 緑 → 黄 → 赤 → 青(青い領域から青い領域まで、ここまでで1周期=11.8cmの変動)の順番の色の変化は、衛星に近づく変動(衛星は上空を飛んでいるので、衛星に近づく変動は概して隆起成分を含む)を表します。震源地周辺において、図中「+5.9cm」の地点から「+135.7cm」の地点まで、11周期の色の変化(最大約1.3mの隆起)が見られます。
JAXA EORC