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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)によるニューオリンズ・ハリケーン「グスタフ」洪水観測
2008年8月末から9月はじめにかけてアメリカ・ニューオリンズ付近を襲った大型ハリケーン「グスタフ」による洪水の被害状況把握を目的として、宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による緊急観測を行ないました。
図1は「だいち」搭載のパルサー(PALSAR)の高分解モードで観測した災害前の2008年4月6日の画像を青に、ハリケーン通過後の2008年9月3日の画像を赤と緑に色付けして重ね合わせ、災害前後の違いを色として表したものです。観測領域は図4に示した領域です。PALSARによる画像では、水面は暗く見える特徴があり、青く浮き出ている地域がハリケーン通過後に暗くなった浸水域を表していると考えられます。ニューオリンズ(New Orleans)周辺の都市域では広域にわたる大きな変化は見られません。一方、New Orleansの南西のCouba Island周辺域、New Orleansの東のSt. Catherines Island周辺域では広域に渡って青く着色されており、浸水域であると考えられます。赤枠で囲った20km×20kmの領域の災害前後の画像を拡大して図2、図3にそれぞれ示します。植生分布との比較により、これらのハリケーン通過後に暗くなった領域は主に、樹高の低い植生域であることが確かめられました。
JAXAでは国際災害チャータの要請に基づき、データを国際災害チャータへ提供しました。
JAXA EORC