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「だいち2号」による平成30年7月豪雨の観測結果について

Posted: Jul. 11, 2018, 5:00 (UTC)

概要

  • 平成 30 年7月豪雨について、国土交通省等の要請に基づき「だいち2号」による観測を実施。
  • 観測結果は関係省庁や自治体などに提供された。
  • 観測画像からは浸水域、土砂災害箇所、橋の流出が見られた。

2018年7月に台風第7号(その後、温帯低気圧に変化)の影響により西日本を中心に記録的な大雨をもたらした平成 30 年7月豪雨について、JAXAは国土交通省などからの要請に基づき、7月5日から8日(日本時間、以下同じ)にかけて緊急観測を行い、結果を関係省庁、防災関係機関、および自治体に随時提供しました。

表1に観測の概要を、図1に観測範囲を示します。
>図1: PALSAR-2による観測範囲
図1: PALSAR-2による観測範囲。図中の(1)~(5)は観測日時を表し(表1の数字に対応)、Fig.2~4は図2~4の範囲を表す。
表1:「だいち2号」による観測の概要
観測日時(日本時間) 軌道番号 軌道方向 観測方向 ビーム番号
(1) 2018年7月5日23:23頃 123 北行軌道 U2-7
(2) 2018年7月6日12:52頃 28 南行軌道 U3-11
(3) 2018年7月6日23:44頃 126 北行軌道 U1-4
(4) 2018年7月8日00:05頃 129 北行軌道 U2-9
(5) 2018年7月8日11:56頃 20 南行軌道 U3-14
いずれも観測偏波はHH偏波、観測モードは高分解能(Stripmap)3mモード。
図2~3には、今回取得したデータのうち、7月6日23時44分頃の福岡県周辺の画像および7月8日0時5分頃の岡山県周辺の画像を示します。画像解析により抽出した浸水域を画像内に水色で示しています(農地の湛水など、災害と関連しない変化が含まれている可能性があります)。
図2:7月6日23時44分頃の福岡県周辺のPALSAR-2画像
図2: 7月6日23時44分頃の福岡県周辺のPALSAR-2画像。水色は画像解析により抽出した浸水域。
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図3:7月8日0時5分頃の岡山県周辺のPALSAR-2画像
図3: 7月8日0時5分頃の岡山県周辺のPALSAR-2画像。水色は画像解析により抽出した浸水域。
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図4には7月8日11時56分頃の広島県周辺の画像を示します。図4中の赤枠で示した地域は土砂移動が多くみられる地域で、図5に拡大画像を示します。図4中の「×」印の箇所では橋が流出した箇所で、図6に拡大画像を示します。

図4: 7月8日11時56分頃の広島県周辺のPALSAR-2画像。
図4: 7月8日11時56分頃の広島県周辺のPALSAR-2画像。
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(1) 東広島市西条周辺
  • 東広島市西条周辺
  • 東広島市西条周辺
(2) 東広島市黒瀬町周辺
  • 東広島市黒瀬町周辺
  • 東広島市黒瀬町周辺
図5: 図4の赤枠部分の拡大図。比較のため災害前の画像(2015年4月19日)をそれぞれ右側に示す。
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(3) 広島市安佐北区白木町

  • 広島市安佐北区白木町
  • 広島市安佐北区白木町
(4) 呉市
  • 呉市
  • 呉市
図6: 図4の橋の流出箇所の拡大図。比較のため災害前の画像(2015年4月19日)をそれぞれ右側に示す。

最後になりましたが、今回の記録的な豪雨で被害にあわれた全ての方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、早期の復旧・復興を心より願っております。

JAXA EORC