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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による西日本豪雨の緊急観測
西日本各地では7月13日夜から14日にかけて、梅雨前線の停滞による激しい雨が断続的に降り、河川の増水や土砂崩れなどの被害が相次ぎました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2010年7月16日11時03分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のパンクロマチック立体視センサ(プリズム)と高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)により、島根県から広島県にかけて緊急観測を実施しました。
図1は今回観測した島根県の様子を示したものです。バンド3,2,1を合成したトゥルーカラー画像で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。白く見えるのは雲ですが、島根県北部の上空には雲がなく、地上の様子を確認することが出来ました。南側の広島県は残念ながら雲に覆われており、地表面の様子を確認することが出来ませんでした。
図2は災害後の2010年7月16日、および2008年7月10日に観測されたプリズムとアブニール・ツーから作成したパンシャープン画像*で、島根県美郷町付近を拡大したものです。バンド4,3,2を合成したフォールスカラー画像で表示しており、特に植生域の変化を明確にとらえることができます。黄色枠で示したところは、災害前後の画像を比較すると道路が冠水しているように見えます。
取得された画像は、内閣府および国土交通省国土技術政策総合研究所へ提供しました。
JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。
* プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像
プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、地上分解能10mですがカラー情報を持つアブニール・ツーを用いて、擬似的に地上分解能2.5mのカラー画像にしたものです。
JAXA EORC