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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるメキシコの土砂崩れ緊急観測結果

メキシコ南部において、2010年9月20日頃から続く暴風雨の影響により2010年9月28日に土砂崩れが発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2010年9月29日16時37分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*により現地の観測を実施しました。

図1は今回観測した画像全体の様子を示したもので、アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており人の目で見た色に近くなっています。明るい白色は雲ですが、薄い雲を通して土砂災害があったと思われる箇所を確認することができました。
図1:今回観測した画像全体
図1:今回観測した画像全体
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観測日時: 2010年9月29日16時37分頃(日本時間) センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー) ポインティング角: -21° 黄色枠: 図2、3の範囲

図2はSan Pablo Villa de Mitla付近、図3はSanta Maria Tlahuitoltepec付近の災害前後の比較画像です。アブニール・ツーのバンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しており植生が赤く見えるため、土砂崩れなどにより植生が失われたところを明確にとらえることができます。災害前後の画像を比較すると、黄色丸で囲ったところは、土砂崩れが発生したと思われる地域です。
図2: San Pablo Villa de Mitla付近の様子(約2km×2kmのエリア)
図2: San Pablo Villa de Mitla付近の様子(約2km×2kmのエリア) 左:災害後(2010年9月29日)、右:災害前(2010年8月7日)
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図3: Santa Maria Tlahuitoltepec 付近の様子(約2km×2kmのエリア)
図3: Santa Maria Tlahuitoltepec 付近の様子(約2km×2kmのエリア) 左:災害後(2010年9月29日)、右:災害前(2009年5月4日)
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*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回の画像は西側に21度、2009年5月4日、2010年8月7日の画像は0度で取得しました。

JAXA EORC