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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるメキシコ森林火災の緊急観測結果

2011年4月初旬からメキシコ北部において、大規模な森林火災が発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では2011年4月8日2時32分頃(日本時間、以下同じ)と2011年4月15日2時22分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により緊急観測を実施しました。

図1は2011年4月15日に観測した画像全体の様子を示したものです。アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており人の目で見た色に近くなっています。4月15日観測では雲のない画像が撮れており、画像中に見える白い煙は今回の火災によるものと思われます。
図1: 2011年4月15日に観測した画像全体
図1: 2011年4月15日に観測した画像全体
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観測日時: 2011年4月15日2時22分頃(日本時間) センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー) ポインティング角: -18.0°

図2は火災発生後の2011年4月15日および2011年4月8日と、火災発生前の2011年2月21日および2010年12月20日の画像です。アブニール・ツーのバンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しており、植生を赤く強調しているため火災による焼失場所などの地表面の変化が見やすくなります。火災により焼失したと考えられる場所が黒く見えています。黄枠で示したところは、2011年4月8日から2011年4月15日にかけて焼失範囲が広がったと考えられるところです。火災によるとみられる煙も増えており、今後も警戒が必要と思われます。
図2: 火災発生前後に観測した画像全体
図2: 火災発生前後に観測した画像全体
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左図:火災後(2011年4月15日)、中央図:火災後(2011年4月8日)、右図:火災前(2011年2月21日および2010年12月20日)

なお、取得された画像は、国際災害チャーターを通じてメキシコ国家防災センターへ提供しました。

* 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、衛星進行方向に対して東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。2011年4月15日の画像は西側に18度、2011年4月8日の画像は0度で取得しました。

JAXA EORC