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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による中国青海省地震にともなう観測結果
2010年4月14日(水)8時49分頃(日本時間,以下同じ)に中国青海省で大地震(マグニチュード:6.9、震源位置:33.271°N, 96.629°E、震源の深さ:約10km)が発生し、大きな被害が出ています。宇宙航空研究開発機構(以下, JAXA)では4月16日(金) 13時23分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のパンクロマチック立体視センサ(プリズム)と高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)による観測を実施しました。
図1は4月16日に観測したアブニール・ツーの全体画像です。白く見えるのは雲で画像全体がほぼ雲に覆われていますが、雲の隙間から被災地域の様子を確認することができました。
図2は玉樹県(ギョクジュ)の県政府が置かれている結古鎮(ケグ)付近を拡大したもので、図3、4は図2中の枠で囲んだところをさらに拡大したものです。
図3では広場やグランド(赤枠内)が被災者の救援用(テントなどの救援物資の備蓄や避難所)に利用されていると思われます。また、図4では地震前後の画像を比較すると多くの家屋が倒壊している様子(赤枠内)がわかります。
図5は図2の地震前後の画像をアニメーション表示したもので、約1秒間隔で地震後の2010年4月16日と2008年11月26日の画像が切り替わります。

図5: 図2の範囲の地震前後のアニメーション(パンシャープン画像*)
なお取得した画像は、国際災害チャータを通じて関係機関へ提供しました。
JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。
* パンシャープン画像
パンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、地上分解能10mですがカラー情報を持つアブニール・ツーを合成して、擬似的に地上分解能2.5mのカラー画像にしたものです。
JAXA EORC