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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による鹿児島県奄美大島豪雨にともなう緊急観測結果(2)
2010年10月20日から奄美大島全域で局地的な豪雨が降り、各地で大雨にともなう災害が発生しました。宇宙航空研究開発機構(以下, JAXA)では10月23、24、25日に引き続き、10月30日午前10時41分(日本時間、以下同じ)頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により現地の緊急観測を実施しました。
なお、10月22、23、24日のアブニール・ツー観測画像は、多くの雲に覆われ被災地域の確認に至りませんでした。
図1は今回観測した画像全体の様子を示したもので、アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。明るい白色は雲です。10月30日の観測では、雲の間から災害箇所を確認することができました。
図2および図3は、龍郷町秋名付近を拡大したものです。図2の10月25日の画像上に黄枠で示した付近は土砂災害が発生したと思われる場所で、10月30日の観測でもそのうちの一か所が確認できます。図3の10月30日の画像に黄枠と赤枠で示した付近は土砂災害が発生したと思われる場所で、25日の観測画像でも確認できた場所です。赤枠は、国道58号線に土砂が流れ込んだ様子を示します。
図4は住用町付近を拡大したものです。今回10月30日の観測で新たに確認できた土砂災害の発生箇所と思われる付近を黄枠と赤枠で示しています。また、赤枠では、図3と同様に国道58号線に土砂が流れ込んだ様子を確認できます。
なお取得された画像は、内閣府および内閣官房に提供致しました。
*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):
青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回の画像および10月25日の画像は、それぞれ東側から41.5度、44度で取得しました。また、1月18日および9月14日の画像は、それぞれ0度、東側から41.5度で取得しました。JAXA EORC