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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による鹿児島県奄美大島豪雨にともなう緊急観測結果
2010年10月20日から奄美大島全域で局地的な豪雨が降り、各地で大雨にともなう災害が発生しました。宇宙航空研究開発機構(以下, JAXA)では10月22、23、24日に引き続き、10月25日午前10時35分(日本時間、以下同じ)頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により現地の緊急観測を実施しました。なお、10月22、23、24日のアブニール・ツー観測画像は、多くの雲に覆われ被災地域の確認に至りませんでした。
図1は今回観測した画像全体の様子を示したもので、奄美大島北部を観測することができました。アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。明るい白色は雲です。この画像から災害箇所を数ヶ所確認することができました。図2、3は図1から災害箇所が確認できた場所を拡大したものです。
図2は龍郷町秋名付近を拡大したものです。10月25日の画像上に黄枠で示した付近は土砂災害が発生したと考えられる場所で、右の災害前(9月14日)の画像と比較すると山肌に茶色い筋が見られます。
図3は龍郷町役場付近を拡大したもので、黄および赤枠で示した付近は土砂災害が発生したと考えられる場所です。特に赤枠は、国道58号線に土砂が流れ込んでいる様子が分かります。
なお、取得された画像は内閣官房、内閣府、警察庁、消防庁、防衛省、国土交通省、国土交通省国土技術政策総合研究所、気象庁、海上保安庁、独立行政法人土木研究所等に提供しました。
*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):
青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回の画像は東側から44度で取得し、9月14日の画像は東側から41.5度で取得しました。
JAXA EORC