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だいち(ALOS)による中国四川省で発生した地震に関する観測の結果について
宇宙から見た山岳地帯の震源地
平成20年5月12日 15時28分頃(日本時間、以下同じ)、中国四川省において、深さ約10kmを震源とするM 7.9の地震が発生しました。宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)では翌5月13日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のPALSAR(パルサー)*1により現地の緊急観測を実施しました。
図1は、平成20年5月13日12時41分頃に取得したPALSAR(パルサー)による広観測モード(ScanSARモードと呼ばれ、観測幅350km、分解能70mで観測するもの)の画像データです。観測時刻には雲がかかっておりましたが、レーダによる観測のため、天候に関係なく地震発生から24時間以内にデータを緊急取得することができました。JAXAでは国際災害チャータの要請に基づき、このデータを国際災害チャータへ提供しました。
震源地は山岳地域ではありますが、このように宇宙からでは一度に広範囲を観測することが可能です。
なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測し、地震前後のPALSAR画像を用いた差分干渉処理*2を行い、本地震に伴う地殻変動解析結果が判明し次第、発表する予定です。*1 パルサー(PALSAR) :
フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ。衛星から発射した電波の反射を受信するマイクロ波レーダで、夜や曇天時も撮影が可能です。
*2 差分干渉処理 :
レーダは地面との距離を測ります。2回の観測の差が距離の差になりますので、地震や地盤沈下等によって発生した地面の陥没や隆起を知ることができます。
JAXA EORC