画像ライブラリー
カリフォルニア州南部の大森林火災にともなう植生域の減少
2007年10月20日に発生した米国カリフォルニア州南部の大規模な火災は、広範囲の森林や草原に影響を与えました。JAXAでは陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)で撮影した画像から、植生が減少した地域の推定を行いました。
図1は2007年11月6日(UT)にカリフォルニア州南部を観測したAVNIR-2画像に、昨年同時期の2006年10月20日、および今年10月23日撮影の画像との比較から植生が減少したと考えられる領域をそれぞれ黄色、赤色で示したものです。時間の経過とともに植生が減少した地域が拡がっている様子を見て取ることができます。図3は本解析に用いた3時期のAVNIR-2画像です。今年10月23日には火災の煙が上がっていることが確認できます(図4)。それぞれの画像は撮影方向(ポインティング角)が異なるため、画像には地形にともなうひずみがあり、このままではうまく重ね合わせることができません。そこで、まず地形のひずみを除去した正射投影(オルソ補正)画像を作成し、異なる日付に観測された画像を重ね合わせます。次に、植生に感度の高いAVNIR-2のバンド4(近赤外チャンネル)とバンド3(赤チャンネル)を用いてそれぞれの植生域を推定し、次式のように植生が減少した地域を算出、色づけしました。
(2006年10月20日の植生域)-(2007年10月23日の植生域)を黄色
(2006年10月20日の植生域)-(2007年11月6日の植生域)を赤色
これを11月6日の画像に重ね合わせ、拡大したのが図1です。それぞれの日付で雲、煙、煙の陰の発生場所が異なるため、これらの場所は対象外としました。JAXA EORC