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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるマチュピチュの豪雨被害にともなう緊急観測
ペルーの世界遺産マチュピチュ遺跡付近で2010年1月24日からの集中豪雨により洪水や土砂崩れが発生しました。宇宙航空研究開発機構(以下, JAXA)では1月31日午前0時28分(日本時間、以下同じ)頃に、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)による緊急観測を実施しました。
図1は1月31日にマチュピチュ遺跡付近を観測したアブニール・ツーの全体画像です。白く見えるのは雲で、マチュピチュ遺跡上空は雲に覆われていましたが、上流および下流の川の様子を確認することができました。
図2は災害後の2010年1月31日、および災害前の2009年7月4日に観測された画像から、マチュピチュ遺跡から北西約35kmにあるQuillabammbaという町付近を拡大したものです。いずれの画像もバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。災害前の画像と比べ、災害後の画像では黄枠で示したウルバンバ川の川幅が広くなっており、水も茶色く濁っていることが分かります。
図3はマチュピチュ遺跡から北西約20km付近にあるSanta Mariaという町付近を拡大したものです。黄枠付近ではウルバンバ川が南側の川岸を削って川幅を広げているように見えます。
図4はマチュピチュ遺跡から東約20kmにあるオリャンタイタンボ付近の拡大で、矢印で示した位置がペルーレール鉄道のオリャンタイタンボ駅とオリャンタイタンボ遺跡です。災害前の画像と比べ、災害後の画像ではウルバンバ川の川幅が広くなっており、水も茶色く濁っていることが分かります。現在、ペルーの文化庁は安全のためオリャンタイタンボ遺跡への入場を禁止しています。
なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。
JAXA EORC