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AVNIR-2によるニューオリンズ・ハリケーン(グスタフ)の緊急観測結果
宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)では、2008年9月1日から3日にかけてアメリカのニューオリンズ地帯を襲った大型ハリケーン「グスタフ」による被害の様子について、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による観測を実施しました。
図1は「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測された災害前後の画像です。白く見えるのは雲です。災害後の画像である図1上は、大半の部分は雲に覆われてしまっていますが雲の合間から見える地表面の状況を解析しました。
図2, 3はそれぞれ図1の災害前後の画像から同じ場所を切り出し、拡大表示したものです。 図2の災害前後の画像を比較すると、画像の真ん中左付近に見える河川の川幅が災害後拡がっている様子が分かります。これは今回のハリケーンによる影響である可能性があります。また、災害前の2007年5月6日の画像で緑色に見える部分は農作地だと考えられますが、災害後の2008年9月3日には土色に見える場所があります。これは農作物が収穫された可能性が考えられ、洪水の影響と断定することはできません。
図3では、災害前の画像でねずみ色に見える部分は湿った土壌であると考えられることからこの辺りが元々湿地帯であることが示唆されます。南北に通る河川沿いには図2と同様、緑色に見える農作地があります。災害後の画像では、左右に広がるねずみ色の部分でまばらに緑色が減少している様子を見ることができます。これは今回の洪水による影響である可能性があります。画像中央部に広がる濃い緑の場所は、元々湿地帯であることを考えると水草や藻が繁茂している可能性が考えられます。
JAXA EORC