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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるフランス南部の洪水被害による緊急観測結果
フランス南部バール県で集中豪雨による洪水が2010年6月15日から発生し、甚大な被害が出ています。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2010年6月17日19時15分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*により、現地の緊急観測を実施しました。
図1は、今回観測した画像全体の様子を示したものです。バンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。白く見えるのは雲ですが、洪水被害が報道されているバール県上空は雲が少なく地表面の様子を確認することができました。
図2は災害後の2010年6月17日、および21日前の2010年5月27日に観測された画像から、Le Muyという町の付近を拡大したものです。黄色枠で示したところは21日前の画像と比較すると茶色く濁っていることから、川が氾濫し市街地が浸水していると思われます。また氾濫した川や南側の川は茶色く濁っており、川幅も21日前と比較すると広がっていることが分かります。
図3は2010年6月17日および2010年5月27日に観測された画像から、Puget-sur-Argensという町の付近を拡大したものです。災害前後の画像を比較すると、畑が全体的に茶色く濁っていることから、今回の集中豪雨によって浸水していると考えられます。
なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。
取得された画像はALOS欧州データノード(ALOS Data European Node, ADEN)へ提供しました。
* 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):
青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回の画像は東側から28度で取得しました。
JAXA EORC