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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による和歌山県集中豪雨にともなう緊急観測
2009年7月6日から7日にかけて梅雨前線の影響により和歌山県内で局地的な豪雨が降り、各地で被害が発生しました。宇宙航空研究開発機構(以下, JAXA)では7月8日午前10時57分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)によって現地の緊急観測を実施しました。
図1は7月8日に取得した和歌山県田辺市付近のアブニール・ツーの全体画像です。白く見えるのは雲なので、対象地域のほぼ全域が雲に覆われていることが分かります。しかし、緑枠で示した付近は雲の間から地表面を観測することができました。図2から4は7月8日と災害前の今年2月15日に観測されたアブニール・ツー画像から同じ場所を拡大したものです。
図2, 3はバンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しているため植物は赤色、水面は暗い色に見えます。
図4はバンド3, 2, 1を合成したトルーカラー画像で表示しており、人の目で見た色に近い色で見えます。
図2は有田郡有田川町付近を拡大したものです。7月8日の画像では災害前と比較して黄色丸で示した辺りの池の水量が増加していることが確認できます。また、画像を横切る有田川の色が7月8日の画像では濁っている様子が確認できます。
図3は伊都郡高野町付近を切り出したものです。7月8日の画像では災害前と比較して黄色丸で示した辺りの川幅が広がっているように見えます。
図4は田辺市から日高郡みなべ町の海岸付近を拡大した画像で、比較的大きな三つの河川(西から南部川、芳養川、会津川)が見えます。7月8日の画像では、これらの河川から太平洋へ土砂が流入し、海が濁っていることが分かります。
取得された画像は、和歌山県へ提供しました。
JAXA EORC