データセット

IPYデータセット

1. 更新情報

2011年5月30日 500mブラウズモザイクプロダクト(42回帰) Arctic Poleを追加しました。
2011年5月18日 500mブラウズモザイクプロダクト(41回帰) Antarcticaを追加しました。
2011年3月7日 500mブラウズモザイクプロダクト(40回帰) Antarcticaを追加しました。
2011年1月19日 500mブラウズモザイクプロダクト(39回帰) Antarctica、Arctic Poleを追加しました。
2010年12月10日 500mブラウズモザイクプロダクト(38回帰) Antarcticaを追加しました。
2010年11月12日 500mブラウズモザイクプロダクト(37回帰) Antarcticaを追加しました。
2010年11月5日 500mブラウズモザイクプロダクト(36回帰) Antarcticaを追加しました。
2010年10月29日 500mブラウズモザイクプロダクト(35回帰) Antarctica、Arctic Poleを追加しました。
2010年10月22日 500mブラウズモザイクプロダクト(34回帰) Antarctica、Arctic Poleを追加しました。
2010年10月15日 500mブラウズモザイクプロダクト(33回帰) Antarcticaを追加しました。
2010年3月16日 500mブラウズモザイクプロダクト(32回帰) Antarcticaを追加しました。
2010年2月9日 500mブラウズモザイクプロダクト(31回帰) Antarctica、Arctic Poleを追加しました。
2009年12月14日 500mブラウズモザイクプロダクト(30回帰) Antarcticaを追加しました。
2009年10月29日 500mブラウズモザイクプロダクト(29回帰) Antarcticaを追加しました。
2009年10月20日 500mブラウズモザイクプロダクト(26~28回帰) Antarcticaを追加しました。
2009年4月24日 500mブラウズモザイクプロダクト Antarctica(22~24回帰)、Arctic Pole(23、24回帰)を追加しました。
2008年12月11日 500mブラウズモザイクプロダクト(21回帰) Antarcticaを追加しました。
2008年9月16日 500mブラウズモザイクプロダクト(20回帰) Antarcticaを追加しました。
2008年8月18日 500mブラウズモザイクプロダクト(19回帰) Antarcticaを追加しました。
2008年8月18日 IPYデータセットホームページを開設しました。
2008年7月14日 500mブラウズモザイクプロダクト(18回帰) Antarcticaを追加しました。

PALSARを用いた北極圏、南極圏のモニタリングについて(International Polar Year)

国際極年(International Polar Year)は2007年3月1日から2009年3月1日までの2年間にわたり、北極と南極についての研究を60以上の国が参加して実施するもので、特に、氷の変化がもたらす海面の変化や気候変動が極地に生息する動物へ与える影響等に焦点が当てられます。これに対して宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace Exploration Agency, JAXA)、米国航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration、NASA)、欧州宇宙機関(European Space Agency、ESA)、カナダ宇宙庁(Canadian Space Agency、CSA)等の宇宙機関は自機関の衛星を用いて極域を集中的に観測することとしました。特に、JAXAは陸域観測衛星「だいち」のセンサ(PALSAR、AVNIR-2、PRISM)を用いて、北極、南極を定期的(1年間に2~3回)に観測し、極域における氷の減少、時間的な変化を観測します。特にPALSARについては天候、昼夜の別に関係なく氷を含む地表の状態を観測できること、計算機を用いた自動処理が可能なことから、データ取得後数日以内に、分解能500メートルのブラウズ画像を作成し、それらを集めてモザイクを作成しています。これまでに、いくつかの時期のデータセットが作成できましたので、本ウェッブを通して公開することにしました。1回帰(46日)に1枚、極域の広域画像を得ることができ、長期にわたって比較をすることで、極域における氷の変化、土地被覆の変化状況などを把握することができます。

合成開口レーダは天候・昼夜の別に左右されず地球観測に有効ですが、生画像は20km×5km程度の分解能しかありません。これに対して、SARの観測する信号は衛星と地表の相対運動で周波数変調されるという特徴があり、特殊な処理(圧縮処理)により10m程度に分解能を向上できます。この高分解能化は1シーン当り(70km四方)数分かかり、一日に受信する約1000シーンから1500シーンをすべて高分解能処理するにはかなり大掛かりな処理装置が必要となります。JAXA/EORCでは分解能は約70mとやや落ちるものの、約10倍の高速性能を有する処理アルゴリズムを開発し、受信した全PALSARデータを定常的に画像化することに成功しました。これにより、地球表面の変化を大局的にとらえることが可能になります。特に、広大な北極・南極域の時間的な変化の抽出や、以降の詳細解析のために簡易的な画像の作成は非常に有効です。このような画像を高速処理簡易画像、あるいはブラウズ画像といいます。

1. 南極

図1は2006年12月以降、異なる3時期で南極を観測してきていますが、その内2007年12月8日から2008年1月22日までの画像をモザイク画像化(貼り合わせ)したものです。特に変化の激しい場所を黄色で枠を作っていますが、特に南極半島の付け根で大きく変化していることがわかります。
南極観測画像
図1: 2007年12月8日から2008年1月22日までの南極観測画像

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1. 1 画像の比較

領域A(アレクサンダー島付近):
南極半島の付け根で変化の激しいところのひとつです。2007年8月から2008年6月に観測された画像のうち、冬、夏、冬を示しています。2007年8月と2008年6月を比較すると、領域1(図2、円)と領域2(図2、円)で氷が減っていることがわかります。南極の夏(2008年1月)で全体に色が暗くなっていますが、これは南極が夏のために温度上昇し、氷の表面が滑らかになったものと思われます。
領域Aの観測画像
図2: 図1中の領域Aの観測画像。左(2007年8月)、中(2008年1月)、右(2008年6月)

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領域B(キング半島付近):
本例もやはり南極半島の付け根で、パインアイランド氷河の海岸部の変化です。1年間に領域1(図3、円)で氷が割れて沖合に流れてゆく様子が見られます。領域2(図3、円)の近くでも、氷が流れる様子が確認できます。
領域Bの観測画像
図3: 図1中の領域Bの観測画像。左(2007年8月)、中(2008年1月)、右(2008年6月)

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領域C(ジョージ5世ランド付近):
本例は上記2例の反対側の領域です。上と同様に、氷が流れてゆく状況がわかります。
領域Cの観測画像
図4: 図1中の領域Cの観測画像。左(2007年8月)、中(2008年1月)、右(2008年5月)

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2. グリーンランド

グリーンランドのブラウズモザイク画像を図5に紹介します。これはPALSARのポラリメトリモードを用いて観測した第11回帰(2007年4月22日~2007年6月6日)の画像です。水平偏波送受信(HH)、水平偏波送信・垂直偏波受信を(HV)、垂直偏波送受信(VV)にそれぞれ赤、緑、青色をあてています。本画像はポラリメトリでとった世界初のモザイク画像です。白は荒れた雪氷を、薄緑は氷が薄くなり融解している状況を表したものと思われます。沿岸部の暗いところは、氷がなく雪に覆われているか、あっても滑らかな氷で覆われているかでしょう(詳細は現地調査が必要です)。グリーンランドには氷の移動の速いところがいくつかあります。そのうち、中西部にあるJakobshavn Glacier(ヤコブスハブン氷河)を調べてみますとこの13年間で氷河の後退と思われる非常に大きな変化がわかります(図6参照)。

注) 電磁波は電界と磁界を直交しながら伝搬する波です。電界が地面に垂直な波を垂直偏波、水平なものを水平偏波といいます。観測対象物ごとにこの水平、垂直偏波成分の持ち方が異なりますのでその成分分析をすることで、観測物の特徴をつかむことが可能になります。このような解析一般をポラリメトリ解析といいます。

島中央部の暗い紫色は島を覆う滑らかな表面の氷を、明るい白は表面の荒い氷を、沿岸部の緑色は氷がなく(あっても薄く)裸地を観測している可能性があります。

グリーンランドの観測画像
図5: 2007年4月22日から2007年6月6日までのグリーンランドの観測画像

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2. 1 JERS-1データとの比較

Jakobshavn Glacier(ヤコブスハブン氷河):
この氷河はグリーンランド中西部にあります。図6左は1994年10月4日にJERS-1SARが観測した画像、図6右は2007年8月3日にPALSARが観測した画像です。ほぼ同じ季節の画像です。2つの画像の決定的な違いは、両画像内を東西にのびる氷河の崩落開始点の位置(黄の楕円で表示)です。両画像ともに、氷河の上流は東にあります。近年の地球温暖化に伴い氷河の後退現象が世界各地で確認されていますが、本事例も例に漏れず、13年間に約13kmも崩落点が上流側に移動するという大幅な後退が確認できます。崩落の東進に伴い、大量の氷が下流側に押し流され、下流側は13年前に比べてより多くの氷に覆われています。
13年間の氷河の後退
図6-1: ヤコブスハブン氷河、1994年10月4日

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13年間の氷河の後退
図6-2: ヤコブスハブン氷河、2007年8月3日

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3. 北極点

2008年6月9日以降、1日2回(1回はScanSAR、もう1回はFBD49.0)の頻度で北極点を含む北極海を毎日観測しています。46日間でこの領域を漏れなく観測する計画で、今年の10月頭までに合計3回観測する予定です。地球温暖化に伴い北極域の氷が大幅に融解する可能性があり、JAXAではPALSARによる監視を行っております。図7はこの間にとられた北極点近辺のモザイクです。いくつか、観測パスに抜けがみられますが、これは6月期に発生した緊急災害対応観測により、観測されなかったものです。画像を拡大する(図8)と、氷が北極域を広く覆っていることが確認できます。また、赤の破線で囲ったところに海氷の隙間が見えます。

注) FBD49.0 PALSARのひとつの観測モードで、オフナディア角49.0でのFBD(Fine Beam Dual)観測モードをさします。

黒の領域は、観測されなかったことを意味します。それ以外の灰色で筋上構造がみられるものは、海氷と思われます。赤の破線内に黒く海氷の隙間が見えます。
北極海のブラウズモザイク画像
図7: 2008年6月9日~7月24日観測画像で作成した北極海のブラウズモザイク画像

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北極点を含む拡大図
図8: 北極点を含む拡大図(約1000km四方)

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公開データへのアクセス方法

下記リンク先の表のサムネイル画像右「Download」をクリックすると、各モザイクのデータ(RAWデータ)と画像ファイル(PNG)をダウンロードできます。

ご利用に関する注意

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