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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるアイスランド火山噴火にともなう緊急観測結果(3)

2010年4月14日(水)、アイスランドの首都レイキャビクの東に位置するエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山が噴火し、大量の火山灰の影響でイギリスやヨーロッパ各地の空の便に大きな影響が出ました。宇宙航空研究開発機構(以下, JAXA)では4月21日に引き続き、4月23日、24日にも陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)とパンクロマチック立体視センサ(プリズム)による緊急観測を実施しました。

4月23日は21時17分頃(日本時間, 以下同じ)にアブニール・ツーで観測し、4月24日は21時58分頃アブニール・ツーとプリズムで観測を行いました。図1は左から4月24日、23日、21日、17日の全体画像を並べたものです。噴煙は4月23日の画像では北の方向へ流れていますが、4月24日の画像では真上に噴煙が昇っていることが分かります。4月21日、17日の画像から比較すると、その量は明らかに少なくなっておりエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山活動は落ち着いてきているように見えます。白く見えるのは氷河や雪と雲です。

図1:「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測されたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の全体画像の比較(左から:2010年4月24日、23日、21日、17日観測) 2010年4月24日に「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測されたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の全体画像 2010年4月23日に「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測されたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の全体画像 2010年4月21日に「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測されたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の全体画像 2010年4月17日に「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測されたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の全体画像

図1: エイヤフィヤトラヨークトル氷河の全体画像の比較
取得日時: 左から:2010年4月24日、23日、21日、17日観測
センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー)

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図2は火山の火口付近の約20km四方を拡大した画像で、同じ範囲の2010年4月24日、23日、21日、17日の画像と並べて示しています。左の2010年4月24日の画像はパンシャープン画像*です。赤丸は火口付近の位置を示しています。火口から出る噴煙の量と勢いは、4月21日に比べ徐々に弱くなっている様子を確認することができます。また、4月23日に比較して24日には火口の南側で白い場所が少なくなっていることから、一日の間に風向きが北から南に変わり降灰があったことが示唆されます。

図2:「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測されたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山火口付近の拡大画像(左から:2010年4月24日、23日、21日、17日観測) 2010年4月24日に「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測されたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山火口付近の拡大画像 2010年4月23日に「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測されたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山火口付近の拡大画像 2010年4月21日に「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測されたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山火口付近の拡大画像 2010年4月17日に「だいち」搭載光学センサAVNIR-2で観測されたエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山火口付近の拡大画像

図2: エイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山火口付近の拡大画像(それぞれ約20km四方)
取得日時: 左から:2010年4月24日、23日、21日、17日観測

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取得した画像は、国内防災機関や国際災害チャーターへ提供しました。
JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

* パンシャープン画像とは、2.5m四方のものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、地上分解能10mですがカラー情報を持つアブニール・ツーを合成して、擬似的に地上分解能2.5mのカラー画像にしたものです。

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