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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるチリの大地震にともなう緊急観測

2010年2月27日15時34分(日本時間、以下同じ)頃、チリ中部の沿岸(チリの首都サンチアゴの南西325km)を震源とするマグニチュード8.8(暫定)の地震が発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では2010年2月27日23時51分頃と2010年3月1日0時33分頃に、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)によって現地の観測を実施しました。
図1は2月27日、地震発生から約8時間後にサンチアゴを観測したアブニール・ツーの全体画像です。この画像では雲が少なく地上の様子を確認することができました。

図1:2010年2月27日 23時51分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載センサ高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)により観測された画像全体(ポインティング角:0.0度, 黄枠:図2,3の範囲)

図1: 2010年2月27日に観測したアブニール・ツー画像
(クリックで拡大画像へ)
観測日時: 2010年2月27日 23時51分頃(日本時間)
センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー)
ポインティング角度: 0.0°
黄枠: 図2、3拡大画像の範囲

図2:サンチアゴ付近の拡大(30×60km四方のエリア)、左:地震後観測(22010年2月27日), 右:地震前観測(2009年2月24日) 図2左:陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載センサ高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)により地震後の2010年2月27日に観測されたサンチアゴ付近の拡大(30×60km四方のエリア) 図2右:陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載センサ高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)により地震前の2009年2月24日に観測されたサンチアゴ付近の拡大(30×60km四方のエリア)

図2: サンチアゴ付近の拡大(30×60km四方)
左:地震後観測(2010年2月27日)、右:地震前観測(2009年2月24日)

(クリックで高解像度画像へ)

図3:火災現場の拡大(それぞれ6km四方のエリア)、左:地震後観測(2010年2月27日), 右:地震前観測(2009年2月24日)

図3: 火災現場の拡大(それぞれ6km四方のエリア)
左:地震後観測(2010年2月27日)、右:地震前観測(2009年2月24日)

(クリックで高解像度画像へ)

図2はチリの首都サンチアゴ付近を拡大したもので、左は地震後の2月27日、右は比較用として地震前の2009年2月24日に観測されたアブニール・ツー画像です。両画像を比較したところ、地震にともなう建物倒壊など大きな被害状況は確認できませんでしたが、サンチアゴの北西に火災が原因と思われる黒煙が広がっている様子が見られました。図3はもっとも煙の色が濃い箇所を拡大したものです。地震前の画像と比較すると工場のような建物が建っていることが分かりました。なお、この火災が今回の地震と関連するものかどうかは不明です。

また、3月1日に観測したアブニール・ツーの画像は被害が大きかったと報道されているコンセプシオンを観測しましたが、残念ながら雲が多く現地の状況を確認するには至りませんでした。

取得された画像は、防災科学技術研究所等の国内防災機関や国際災害チャータを通じて海外関係機関へ提供されました。
なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

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