Posted: Mar. 19, 2018, 9:00 (UTC)
Updated: Mar. 22, 2018, 5:00 (UTC)
概要
観測時刻(UTC) | 軌道番号 | 観測モード | 軌道 | 観測方向 | ビーム番号 | |
(1) | 2018年1月22日3時18分 | 23 | Stripmap | 南行 | 右 | U2-7 |
(2) | 2018年3月5日3時18分 | 23 | Stripmap | 南行 | 右 | U2-7 |
(3) | 2018年3月6日14時30分 | 124 | Stripmap | 北行 | 左 | U3-11 |
(4) | 2018年3月9日3時4分 | 21 | Stripmap | 南行 | 右 | U3-13 |
(5) | 2018年3月10日3時25分 | 24 | Spotlight | 南行 | 右 | - |
(6) | 2018年3月10日14時16分 | 122 | Spotlight | 北行 | 左 | - |
(7) | 2018年3月11日14時36分 | 125 | Stripmap | 北行 | 左 | U2-8 |
(8) | 2018年3月14日3時11分 | 22 | Stripmap | 南行 | 右 | U3-10 |
(9) | 2018年3月15日14時23分 | 123 | Stripmap | 北行 | 左 | U3-14 |
観測時刻(UTC) | 観測モード | 軌道 | 観測方向 | ビームID | 衛星番号* | |
(1) | 2018年3月7日20時12分 | Spotlight | 北行 | 左 | 24 | S2 |
(2) | 2018年3月8日8時53分 | Spotlight | 南行 | 右 | 23 | S1 |
(3) | 2018年3月9日21時12分 | Spotlight | 北行 | 右 | 27 | S4 |
(4) | 2018年3月10日22時56分 | Spotlight | 北行 | 左 | 17 | S1 |
(5) | 2018年3月11日8時59分 | Spotlight | 南行 | 右 | 16 | S2 |
(6) | 2018年3月12日8時59分 | Spotlight | 南行 | 右 | 16 | S3 |
(7) | 2018年3月15日8時59分 | Spotlight | 南行 | 右 | 16 | S4 |
(8) | 2018年3月19日8時59分 | Spotlight | 南行 | 右 | 16 | S1 |
図2は「だいち2号」によって撮像された新燃岳火口付近の観測画像です。撮像日によって観測の方角や角度が異なるため、本記事では「だいち2号」の観測画像のうち、新燃岳の東側から観測(北行軌道左観測,もしくは南行軌道右観測)したものを載せています。噴火前の(1)1月22日の画像と比べて, (2)3月5日の画像では火口内で少し変化があることが見えており、(3)6日には溶岩ドームが形成されたことが確認できました。その後、溶岩ドームは拡大を続け、(4)3月9日の画像からは溶岩ドームが火口の縁まで達し、(5)3月10日の画像からは溶岩が北西方向に流出している様子が捉えられました。溶岩ドームはなおも拡大を続け、(9)3月15日の画像では、火口全体をほぼ埋め尽くすほど広がっています。図3では, この溶岩ドーム拡大の様子をアニメーションでご覧いただけます。
図4はCOSMO-SkyMedによって撮像された新燃岳火口付近の観測画像です。COSMO-SkyMedはより波長の短いXバンド(波長約3.1 cm)のマイクロ波を用いているため, 解像度が非常に高くより細かいものを判断することができます。一連の噴火によって形成された溶岩ドームの輪郭や表面のしわ模様などをより鮮明に確認することができます。3月15日と3月19日の観測画像を比較すると火口外に流出した溶岩はゆっくりと流れていることがわかります。また、火口内の溶岩ドームもまだ拡大しています。図5では3月11日、12日、15日の3枚の画像を用いたアニメーションを示しました。溶岩ドームの拡大している様子がより鮮明にご確認いただけます。
図6は火口内に噴出した溶岩の移動量をピクセルオフセット法によって求めたものです。ピクセルオフセット法とは2枚の画像を精密に位置合わせした際の局所的なズレを変位量として検出する手法です。この手法をCOSMO-SkyMedによって撮像された画像に適用したところ、3月11日から12日の24時間の間に電波照射方向(おおよそ西方向)に最大約12 m、衛星進行方向(おおよそ南方向)に最大約15 mほどの動きが確認されました。この動きは図5のアニメーションでもご確認いただけます。
図7は図6と同様に溶岩の移動量をピクセルオフセット法によって求めたものです。3月15日から19日の4日間に電波照射方向(おおよそ西方向)に最大約15 m、衛星進行方向(おおよそ南方向)に最大約20 mほどの動きが確認されました。これは4日間の累積変位ですので、溶岩の移動速度としては減速していることになります。
JAXAでは今後も「だいち2号」で新燃岳の観測を続けていく予定です。
関連リンク:
JAXAひまわりモニタおよび「だいち2号(ALOS-2)」による2018年3月6日の霧島山(新燃岳)噴火状況
(http://www.eorc.jaxa.jp/news/2018/nw180307.html)
ピクセルオフセット法について (http://www.gsi.go.jp/cais/pixel_offset.html)
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