「だいち2号」による米国ミシシッピ川洪水の観測結果について

ミシシッピ川流域で2015年12月下旬から発生している洪水について、国際災害チャータの要請に基づき、2016年1月6日(日本時間、以下同じ)に「だいち2号」(ALOS-2)搭載の合成開口レーダ、パルサー2(PALSAR-2)により図1の範囲を観測し、データを関係機関に提供しました。

図2は今回(2016年1月6日)の観測画像と、洪水前の2015年9月30日の観測画像を比較したものです。いずれも高分解能モード(分解能10m、観測幅70km)で取得されたデータです。

図1: 2016年1月6日のPALSAR-2によるミシシッピ川流域の観測範囲 図1: 2016年1月6日の観測範囲 (クリックで拡大画像へ)
ミシシッピ川周辺の洪水後のPALSAR-2観測画像 (2016年1月6日).
ミシシッピ川周辺の洪水前のPALSAR-2観測画像 (2015年9月30日).
図2: ミシシッピ川流域の洪水前後の画像比較 (HH偏波)

マウス等の操作により、画像中央に現れるスライダを左右に移動することで、洪水前後の画像を視覚的に比較することができます(対応していないブラウザでは、単純に2つの画像が並べて表示されることがあります)。
* 対応ブラウザ: IE9 およびそれ以降、Safari5.1 およびそれ以降、Chrome、Firefox、Opera

図3は画像処理によって浸水域を推定した図です。川と隣接した水色の領域は浸水によってできた水面と考えられますが、川から離れた農地における水色の領域は農地の通常の季節変化の可能性もあります。赤色は森林部の浸水(木の上部は水没していないが、木の根本が水に浸かっている状態)を示します。

図3: 「だいち2号」搭載PALSAR-2観測画像による2016年1月6日の浸水域の推定図
図3: 2016年1月6日の浸水域の推定図
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2016年1月13日追記
国際災害チャータの要請に基づき、2016年1月11日にもPALSAR-2により観測を実施しました。観測範囲を図4に示します。図5は画像処理によって浸水域を推定した図で、図の見かたは図3と同様です。

図4: 2016年1月6日 (赤枠) および1月11日 (青枠) のPALSAR-2によるミシシッピ川流域の観測範囲 図4: 2016年1月6日および1月11日の観測範囲
図5: 「だいち2号」搭載PALSAR-2観測画像による2016年1月11日の浸水域の推定図
図5: 2016年1月11日の浸水域の推定図
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2016年1月21日追記
2016年1月16日にPALSAR-2の広域観測モード(観測幅350km)により、より広域の観測を実施しました。観測範囲を図6に示します。図7は画像処理によって浸水域を推定した図で、図の見かたは図3、図5と同様で、赤色が森林部の浸水域、水色が水面が露出した浸水域、暗い青は平常時の水域を示します。

図6: 2016年1月16日のPALSAR-2によるミシシッピ川流域の観測範囲 (赤枠) 図6: 2016年1月16日の観測範囲
図7: 「だいち2号」搭載PALSAR-2観測画像による2016年1月16日の浸水域の推定図
図7: 2016年1月16日の浸水域の推定図
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