Posted: Jun. 22, 2018, 9:00 (UTC)
概要
観測日(UTC) | 軌道番号 | 観測モード | 偏波 | 観測方向 | ビーム番号 | |
① | 2018年6月11日 | 93 | Spotlight | HH | 右 | - |
② | 2018年6月13日 | 85 | Spotlight | HH | 左 | - |
③ | 2018年6月14日 | 186 | Stripmap 10m | HH+HV | 右 | F2_5 |
④ | 2018年6月16日 | 94 | Spotlight | HH | 右 | - |
⑤ | 2018年6月19日 | 89 | Stripmap 10m | HH+HV | 右 | F2_6 |
※6月1日から9日の観測については「だいち2号」によるハワイ・キラウェア火山噴火および地震の観測結果について(3)を、5月22日から31日の観測については「だいち2号」によるハワイ・キラウェア火山噴火および地震の観測結果について(2)を、5月22日より前の観測については「だいち2号」によるハワイ・キラウェア火山噴火および地震の観測結果についてをご覧ください。
図2は、2018年4月21日、6月11日、および6月16日にSpotlightモードで観測されたハレマウマウ火口周辺の画像のアニメーションです。これらの画像から、火口およびその周辺が沈降し、火口内の崩壊が進んでいる過程を見ることができます。
図3は、Spotlightモードで観測された2018年4月16日と6月11日(表1の①)、2016年2月10日と2018年6月13日(表1の②)の画像ペアをオフセットトラッキング解析した結果から求めたハレマウマウ火口周辺の3次元変動図です。水平変動を矢印で、鉛直変動を色で表しています。火口中心の大きく崩れた箇所(図3の白い部分)を除き、水平方向に最大約9 m、鉛直方向に最大約17 mの沈降が観測されました。また、火口の周りでは火口に向かう水平方向の動きが確認されました。
図4は表1⑤の2018年6月19日の観測データと2018年5月22日のほぼ同時刻の観測データを用いた差分干渉画像です。この画像は衛星視線方向(Illumination)の地表面の変位量を色で表し、この28日間で地表が衛星に近づく方向に動いた場合には青色(寒色系)、衛星から遠ざかる方向に動いた場合は赤色(暖色系)に変化することを意味しています。この解析結果では、レイラニ・エステート(Leilani Estates)の南東部(点線で囲まれた部分)において最大5 cm程度の衛星から遠ざかる変動(沈降もしくは東向き)が見られました。この変動の分布は、マグマが地表に噴出したあとに市街地を流れた分布に似ていることから、溶岩洞の収縮による地表面の沈降を捉えた可能性があります。
図5は、赤色に6月19日のHV偏波、緑色に5月22日のHV偏波、青色に5月22日のHH偏波の強度画像を割りあてたレイラニ・エステート(Leilani Estates)周辺のカラー合成画像で、溶岩流が赤色に見える着色になっています。この画像から、画像左下から中央にかけて溶岩が流れたことがわかります。また画像右側の青い部分(矢印の先)では、マグマが海に流入したことで新たな陸地が形成された様子を捉えています。
JAXAでは今後も「だいち2号」でハワイ島の観測を続けていく予定です。
関連リンク:
「だいち2号」によるハワイ・キラウェア火山噴火および地震の観測結果について(3)
「だいち2号」によるハワイ・キラウェア火山噴火および地震の観測結果について(2)
「だいち2号」によるハワイ・キラウェア火山噴火および地震の観測結果について
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