Home > 画像ギャラリー - 最新画像 > 防災・災害
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるインドネシアジャワ島の豪雨被害にともなう緊急観測

2010年2月22日の夜からインドネシア西ジャワ州バンドン郊外において記録的な豪雨による土砂崩れなどの被害が発生しました。宇宙航空研究開発機構(以下, JAXA)では2月27日午後12時13分(日本時間,以下同じ)頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)による緊急観測を実施しました。

図1:2010年2月27日 午後12時13分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載センサ高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)により観測された画像全体(ポインティング角:-6.0度, 黄枠:図2~4の拡大画像の範囲)

図1: 2010年2月27日に観測したアブニール・ツー画像
(クリックで拡大画像へ)
観測日時: 2010年2月27日 午後12時13分頃(日本時間)
センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー)
ポインティング角度: -6.0°
黄枠: 図2〜4の拡大画像の範囲

図1は2月27日にジャワ島西側を観測したアブニール・ツーの全体画像です。島のところどころに白く見えるのは雲ですが、雲の隙間から地上の様子を確認することができました。

図2:Pangalenganから南約10km付近の拡大(それぞれ3km四方)、左:災害後観測(2010年2月27日)、右:災害前観測(2009年6月30日)

図2: Pangalenganから南約10km付近の拡大(それぞれ3km四方)
左:災害後観測(2010年2月27日)、右:災害前観測(2009年6月30日)

(クリックで高解像度画像へ)

図2はPangalenganから南へ約10km付近を拡大したもので、左が災害後の2010年2月27日に観測した画像、右が災害前の2009年6月30日に観測した画像です。アブニール・ツー画像はバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。図2左の黄色の丸枠で囲んだところは、土砂崩れが発生している様子が確認できた箇所です。特に、東南側の大きな土砂崩れは東西方向に約480mの幅があり、大量の土砂が流出したと考えられます。

図3:Pangalenganから南東約15km付近の拡大(それぞれ3km四方)、左:災害後観測(2010年2月27日)、右:災害前観測(2009年6月30日)

図3: Pangalenganから南東約15km付近の拡大(それぞれ3km四方)
左:災害後観測(2010年2月27日)、右:災害前観測(2009年6月30日)

(クリックで高解像度画像へ)

図3はPangalenganから南東15km付近を拡大したもので、左の画像では河川の増水のため川幅が広がり、色が濁っている様子が分かります。黄色の枠で囲んだところは、谷沿いの斜面に沿って土砂崩れが発生している箇所で、長さ約730mに渡って崩れていることが分かります。

図4:Pangalenganから南東約20km付近の拡大(それぞれ3km四方)、左:災害後観測(2010年2月27日)、右:災害前観測(2009年6月30日)

図4: Pangalenganから南東約20km付近の拡大(それぞれ3km四方)
左:災害後観測(2010年2月27日)、右:災害前観測(2009年6月30日)

(クリックで高解像度画像へ)

図4はPangalenganから南東約20km付近を拡大したものです。図3と同様に河川の増水と顕濁している様子が分かります。黄色丸で示した箇所では長さ450m、幅140mに渡って土砂崩れが発生していることが確認できます。

取得された画像はインドネシア航空宇宙研究庁(LAPAN)へ提供されました。
なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

©JAXA EORC

To top

JAXA,EORC 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター
Copyright©1997- JAXA EORC All rights reserved.