Posted: May 23, 2018, 9:00 (UTC)
Updated: Jun. 1, 2018, 8:00 (UTC)
概要
観測日(UTC) | 軌道番号 | 観測モード | 偏波 | 観測方向 | ビーム番号 | |
① | 2018年5月22日 | 89 | Stripmap 10m | HH+HV | 右 | F2-6 |
② | 2018年5月26日 | 185 | ScanSAR | HH+HV | 右 | W2 |
③ | 2018年5月30日 | 85 | Stripmap 3m | HH | 左 | U2-6 |
※5月22日より前の観測については「だいち2号」によるハワイ・キラウェア火山噴火および地震の観測結果についてをご覧ください。
図2は表1①の2018年5月22日の観測データと2018年5月8日のほぼ同時刻の観測データを用いた差分干渉画像です。この画像は衛星視線方向(Illumination)の地表面の変位量を色で表し、この14日間で地表が衛星に近づく方向に動いた場合には青色(寒色系)、衛星から遠ざかる方向に動いた場合は赤色(暖色系)に変化することを意味しています。この解析結果では、画像のほぼ中央を境にして、北側ではレイラニ・エステート(Leilani Estates)近郊で最大150 cm程度の衛星に近づく大きな変動(隆起もしくは西向き)、南側でも数十cmの衛星から遠ざかる変動(沈降もしくは東向き)が観測されました。
図3は図2と同じ観測データを用いたMultiple Aperture Interferometry(MAI)画像です。MAIは衛星進行方向の変位量を表し、地表が衛星進行方向と同じ方向に動いた場合は赤色(暖色系)、逆向きに動いた場合には青色(寒色系)に変化したことを意味します。この解析結果では、画像のほぼ中央を境にして、北側のレイラニ・エステート(Leilani Estates)近郊では衛星進行方向(ほぼ北向き)、南側では衛星進行方向と逆向き(ほぼ南向き)に約3mの変動が観測されました。
図4は、赤色に2月27日のHV偏波、緑色に5月22日のHV偏波、青色に5月22日のHH偏波の強度画像を割りあてた色合成画像で、火口の割れ目や溶岩流が赤色に見える着色になっています。図5にはレイラニ・エステート(Leilani Estates)付近の拡大図(図4の赤枠の領域)を示します。
図6は表1②の2018年5月26日の観測データと2018年5月12日のほぼ同時刻の観測データを用いた差分干渉画像です。前回の干渉画像(1月20日と5月12日の干渉画像、1月25日と5月17日の干渉画像)と比較すると、レイラニ・エステート(Leilani Estates)周辺の変動域は東に移動していることがわかります。また、ハレマウマウ(Halemaumau)火口周辺では、前回の干渉画像と比較すると変動域が広がっていることがわかりました。
図7にはハレマウマウ火口周辺における、表1の③5月30日と5月17日の強度画像の比較を示します。爆発的噴火直後の5月17日の画像と比べ火口(黒い部分)がより大きくなっています。
JAXAでは今後も「だいち2号」でハワイ島の観測を続けていく予定です。
関連リンク:
「だいち2号」によるハワイ・キラウェア火山噴火および地震の観測結果について
Multiple Aperture Interferometryについて
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