干渉画像(4月14日発表)

レーダーサットによる有珠山周辺の地殻変動抽出
宇宙開発事業団
 レーダーサット画像の干渉処理により有珠山周辺の地殻変動をとらえましたので紹介 します。

 有珠山噴火後に得られた初めての衛星SAR干渉画像です。1999年12月11日と2000年4月9日の昇交軌道で観測した有珠山画像を干渉処理し、軌道誤差調整、地形による位相情報を除去した後に得られた地形変動画像(図1)と同じ領域のSAR画像(図2)を示します。昇交軌道では衛星は西から東をみています。図1での色の一周期は2.8センチメートルの衛星視線方向の地形の変化を表します。伊達市から、北方向に色が黄緑、黄色、紫、そして黄緑と変化していますが、これは地形が衛星方向に近づいていることを示します。更に北に進むにつれて同様な変化がみられることから、結局A点では衛星方向に8.4センチ近づくことがわかります。

 一方、B点では、北に向かうにつれて色が遠ざかる方向に移動するので、伊達と虻田の間が台地上に盛り上がっていることが読みとれます。この変動量は国土地理院の設置したGPSの計測した変動量と概ね一致します。波長が短く、二つの画像の時間差が4ヶ月と大きいことから干渉は伊達市近辺と、虻田町周辺部に限定されており、 注目を集める有珠山周辺、金比羅山、洞爺湖温泉街が干渉しなかったのは残念ですが、今後、継続してSAR干渉解析を行う予定です。
レーダサット画像
データ:レーダーサットデータ
軌道:アセンディング
受信日:1999年12月11日
受信日:2000年4月9日
基線長:約75メートル
波長:5.6センチメートル
軌道高度:約800キロメートル
干渉画像(インターフェロメトリィ)の説明はこちらです。

高解像度画像
(303KB)
RADARSAT R-Data(C)CSA 2000
受信処理: NASDA
画像作成: NASDA/RESTEC



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