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PR Version 5A プロダクト使用上の注意


(1) 高度変更に伴う一般的な注意

(2) 1B21アルゴリズム

(3) 1C21アルゴリズム
(4) 2A21アルゴリズム
(5)2A23アルゴリズム
(6)2A25アルゴリズム
(7)3A25アルゴリズム
(8)3A26アルゴリズム



(1) 高度変更に伴う一般的な注意

[降雨レーダ(PR)観測の主な変更点]  高橋 暢宏

1.感度が約1.2dB程度低くなる。即ち、これまで観測できた弱いエコーが観測
  できなくなる可能性がある。


2.フットプリントサイズが約1.3倍になるとともに走査幅が350km高度のときの
  約
215kmから約245kmになる。

3.鉛直方向の観測可能高度が直下付近で約1.5km低くなる。

4.送信ビーム方向と受信ビーム方向のミスマッチが軌道上で処理・平均化する
  
32パルスのうち1パルスについて発生する。このミスマッチしたビームでの受
  信電力は、送受の中間方向を
6dBゲインの低い観測したときと等価である。

5.入射角が若干変わる。特に広角ビームで大きくなるがその大きさは約0.5度であ
  る。


 以上の結果、これまでのデータに比べてほんの少しデータの質が落ちる。また、
シグマゼロの統計等には明確な変化が現れている。この他、ビームミスマッチにより
Zの値に不確定要素が存在する。

お問い合わせ: Takahashi.Nobuhiro3@jaxa.jp

[標準データ番号の変更]  仁尾 友美

 高度変更前後を判断するために、プロダクト中のメタデータプロダクトバージョン番号部分がこれまでの整数型から文字型に変更された。高度変更が開始された平成
1387日の軌道番号21259以降観測分データには「5A」が設定されている。

お問い合わせ: nio@eoc.jaxa.jp



(2) 1B21 アルゴリズム  高橋 暢宏

現在の1B21アルゴリズムは402.5km高度データの処理のみに用いられる。

1.高度402.5kmに合わせたサンプルレンジの設定テーブルを変更した。

2.代替システムノイズサンプルを用意するようにした。これは、観測可能高度が
  変化したために背の高いエコーが通常のノイズサンプルに入り込んだときに用
  いる。

3.ビームミスマッチの補正アルゴリズムを付加した。このアルゴリズムでは、連
  続する2つのビームのデータを用いてその中間方向の受信電力を推定するもの
  であり、補正エラーは、地表面エコー付近に現れ最大約
0.7dBとなる。降雨域で
  の補正エラーはおよそ
0.1dB以下である。

4.
クラッター除去ルーチンにおけるサーチウィンドウ幅を補正した。これは、高
  度
402.5km における入射角がわずかに変化する事に起因している。このことに
  より、
1B21では、binClutterFreeBottom に若干の変化が出る可能性がある。

お問い合わせ: Takahashi.Nobuhiro3@jaxa.jp




[1B21 V5A メインローブクラッタ除去の注意]  阿波加 純

 1B21 V5Aにおけるメインローブクラッタ除去の様子はV5の場合と同様である。すなわち、ごく僅かであるが特に山岳地帯において地表面エコーを強い降雨エコーと誤判定する場合があるので注意が必要である。
お問い合わせ: awaka@de.htokai.ac.jp



[ 1B21プロダクトバージョン5Aに関する注意事項 ]  高橋 暢宏

  1. 高度変更後(2001年8月25日から2002年1月31日)の1B21データにバグが見つかりました。これは、RAYHEADER の中のstartBinDist において、アングルビン1, 2, 3, 4, 46, 47, 48, 49に現れています
  2. このバグにより、binEllipsoid, binDIDHmean, binDIDHtop, binDIDHbottomが直接的な影響を受けています。
  3. それらのデータにおける真値との差は (現行値 - 真値)
    startBinDist: アングルビン1 、49 + 749.968m
    アングルビン2 、48 + 500.0m
    アングルビン3 、47 + 250.0m
    アングルビン4 、46 + 125.0m
    binEllipsoid, binDIDHmean, binDIDHtop, binDIDHbottom:

    アングルビン1 、49 - 6
    アングルビン2 、48 - 4
    アングルビン3 、47 - 3
    アングルビン4 、46 - 1
  4. 高次アルゴリズムに対する直接的な影響は、
    2A23 : BrightBandHeight
    StormHeight
    上記のアングルビンにおいて、過大評価している可能性があります。
    2A25: 降雨プロファイル
    binEllipsoidのオフセットにより、レンジビンの位置がずれます。
  5. 副次的な影響として
    1B21: minEchoFlag, binStormHeight, binClutterFreeBottom,binSurfPeakの値が若干変化することがあります。
    2A21: 規格化散乱断面積の値が若干変化することがあります。
    2A23: 降雨タイプが変わることがあります。
    2A25: 降雨強度の見積もりがやや変化することがあります。これは、2A25が1C21(=1B21), 2A21, 及び2A23を用いていることによります。
  6. 変更したバージョンは、2002年2月1日のデータから適応されます。

お問い合わせ: Takahashi.Nobuhiro3@jaxa.jp



(3) 1C21 アルゴリズム  清水 収司

1.アルゴリズムに変更はない。

2.高度上昇のより感度が低下した分、1C21normalSample”(レーダ反射因子)で  は観測最小反射因子が約1.2dB高くなる。
お問い合わせ: shimizu@eorc.jaxa.jp



(4) 2A21 アルゴリズム Robert Meneghini

1.アルゴリズムには、変更を加えていない。

2.地球の曲率ならびに走査幅の増加により、地表面の地点に垂直な法線方向に対す
  る
入射角は、直下点以外の地点においてわずかに増加している。

3.軌道高度変更後、TRMMの姿勢は信頼性を減少したように思われる。それ故、地表
  面上の局所点に於ける法線に対する入射角の見積もりは、同様にその信頼性を減
  少している。この不確定性は、表面の規格化レーダ散乱断面積
(NRCS)の分類にお
  ける誤差ならびに非降雨時の
NRCSの分散の増加に波及する。

4.高度の増加は、最後のパルスのペア(32のパルスペアの一つ)の送信と受信の同
  期を失わせる原因となる。従って、
NRCSの平均値は、軌道高度変更前の平均値よ
  りわずかに変化するゆえ、そしてこの変化は表面のタイプと入射角の関数である
  ゆえ、この影響の補正法は
NRCSに対しては誤差になるかもしれない。

5.約1.2 dBの感度の低下の故に、降雨/非降雨の判定の閾値は変化した。このこと
  は、降雨のないときの
NRCSの統計値をわずかに修正し、表面参照法によって見積
  もられる降雨による平均的な経路積分減衰値
(PIA:Path Integrated
  Attenuation)
を修正するであろう。

6.海上の場合、鉛直入射近傍では、高度変更後の非降雨時のNRCSの値は、高度変更
  前の値よりもわずかに大きくなっている。また、走査端近傍では、高度
変更後の
  
規格化レーダ散乱断面積の値は、0.3-0.5dB程度小さくなっている。

お問い合わせ: bob@priam.gsfc.nasa.gov



(5) 2A23 アルゴリズム  阿波加 純


1.アンテナスキャン角が大きくなるとブライトバンドがぼやけるが、V5Aではこの
  影響がより大きくなっているため、アンテナスキャン角の端におけるブライトバ
  ンドの検出割合がV5に比べて低くなっている。


2.層状性降雨に伴うブライトバンドを検出できなかった場合、ブライトバンドピー
  クを強い対流性エコーによるものと誤判定する場合がある。この誤判定がアンテ
  ナスキャン角の端の部分で顕著に現れやすくなっている。
お問い合わせ: awaka@de.htokai.ac.jp



(6) 2A25 アルゴリズム  井口 俊夫

 2A25の処理プログラムは高度変更後も高度変更前と全く変わっていない。プログラムは1行も書き換えられていない。(知られているバグもすべてそのまま残っている
。)
しかし、高度変更に伴い、データの質に違いが生じている。

1.地表面クラッターの影響を受けずに有効とみなされるデータのスキャン端におけ
  る最低高度が、軌道変更前より高くなった。これは、フットプリントの大きさが
  大きくなった事に対応している。海上においては、以前は高度
2kmではほぼクラ
  ッターの影響を受けなかったが、軌道変更後は
2kmでは十分でない。

2.軌道変更後フットプリントの大きさの増加に伴い、降雨のフットプリント内での
  非一様分布の影響が大きくなっていると考えられるが、それに対する対策に何の
  変更も加えていない。

3.最低信号検出閾値が約1.2dB増加した事に伴い、降雨レーダは弱い雨を検出しそ
  こなう率が増えている。これは結果として、雨が降っているという条件下で取っ
  た条件付降雨強度の平均値の増加につながっている。統計を使うときには注意が
  必要である。また、実際の雑音強度はほとんど変わっていないが、受信電力をレ
  ーダ反射因子に変換する変換係数が変わったため、たまたま閾値を超えた雑音が
  降雨強度に変換されたときにその値は以前より大きなものとなっている。このよ
  うな雑音が降雨と誤判断される割合は雨の少ない高度の高いところほど多い。そ
  のため、高高度において降雨ありの条件で計算した降雨強度が軌道変更後増加し
  たように見えるが、これは現実ではない。

4.他のレベル1および2PRプロダクトに関する注意書きをあわせて読むこと。

お問い合わせ: iguchi@crl.go.jp



(7) 3A25 アルゴリズム  Robert Meneghi

1.アルゴリズムには、変更を加えていない。しかしながら3A25は、レベル1,2のプ
  ロダクトの統計を計算するため、
3A25の出力は、これらの下位プロダクトの変化
  を反映する。とりわけ、我々は、条件付(降雨のみの統計)の平均降雨強度とレ
  ーダ反射因子が僅かに増加し、条件無し(降雨、無降雨のすべての統計)の平均
  降雨強度とレーダ反射因子は、僅かに減少すると予想する。雨域の頂きとブライ
  トバンドの検知については、低い雨に対してとりわけ劣化するであろう。高度変
  更前ならば高度
2kmにおいて検知されたであろういくつかの雨は、高度変更後は
  表面クラッターによって曖昧にされてしまうであろう。


2.
20018月の3A25のデータは高度変更前7日間(81日から7日)と高度変更後8
  間(
825日から31日)の両方の下位プロダクトデータを合成して作成している
  。全部で15日分の統計であるため、プロダクトのサンプリング誤差は、典型的
  な値(一ヶ月平均値)よりも大きいであろう。


お問い合わせ: bob@priam.gsfc.nasa.gov



(8) 3A26 アルゴリズム  Robert Meneghi
 
 3A26は、様々な降雨強度の閾値の降雨の覆う面積の割合を計算し、対数正規分布に
基づいて時空間平均された降雨強度を見積もる。感度の低下の故に、弱い降雨強度の
覆う面積の割合は減少するであろう。対数正規分布のカーブフィッティングの手順は
、弱い降雨強度の分布に依存するため、時空間平均された降雨強度は、変化すること
が期待される。
3A26アルゴリズムには、変更を加えていない。


お問い合わせ: bob@priam.gsfc.nasa.gov


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