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TRMM初画像について

 熱帯降雨観測衛星(TRMM:トリム)は、今年11月28日6時27分(日本時間)に宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターからH-IIロケット6号機で打ち上げられました。本衛星は特に熱帯域の降雨の観測を目的としています。この衛星観測計画は日米共同の計画として十年以上の歳月をかけて実現しました。
 水蒸気は凝結して雨になるときに大きな熱を大気に与えます。熱帯域の降雨により大気に与えられた熱は地球規模の大気の循環の駆動源となっており、その実態の観測は地球全体の大気システムを把握する上で不可欠です。現在、今世紀最大といわれるエル・ニーニョが発生していますが、このエル・ニーニョ現象にも降雨は大きく関わっています。
 本衛星には世界で初めて降雨レーダが搭載されています。この衛星搭載降雨レーダ(Precipitation Radar:PR)はわが国(宇宙航空研究開発機構及び独立強制法人情報通信研究機構(旧通信総合研究所))が世界に先駆けて開発したセンサです。他に、TRMMマイクロ波観測装置(TMI)、可視赤外観測装置(VIRS)といった降雨観測用センサ、および雷観測装置(LIS)、雲及び地球放射エネルギー観測装置(CERES)が搭載されています。
 降雨レーダは地球方向に電波を送信し、降雨により衛星方向に散乱された電波を受信することにより、降雨強度の水平方向、鉛直方向の分布を昼夜、陸上・海上を問わず観測できます。これにより、熱帯域を中心として地球規模で降雨の3次元構造を把握することができます。このようなことは衛星搭載の降雨レーダにより初めて可能になりました。
 打ち上げ3日目にはTRMMマイクロ波観測装置の観測が開始されました。降雨レーダは衛星の所定軌道への変更後、12月8日 (日本時間) に観測を開始しました。今回示す画像は翌12月9日 (日本時間) に取得されたデータを基に作成されたものです。図および図の説明はすべて世界時で記載しています。
 今回の画像は初期画像であり、今後校正など詳細なチェックを経た上でデータが全世界のユーザに公開される予定です。降雨レーダを始めとして、既に運用を開始している各センサは設計通りの性能を示しており、今後の解析の成果が大いに期待されます。
 レーダによる詳細な降雨構造のデータにTRMMマイクロ波観測装置、可視赤外観測装置のデータを組み合わせることにより、熱帯から亜熱帯にかけての降雨の世界的な分布、日変化、季節変動、また年々変動の実態が陸上・海上を問わずより正確に把握されます。このようなデータは、異常気象および気候変動の解析にこれまで欠けていた重要な情報を提供するものです。熱帯の降雨活動に伴って大気に与えられる熱は大気循環を駆動しており、いわば大気大循環の「エンジン」です。しかし、その高さ方向の情報は重要であるにも関わらず、これまで広域観測されることはありませんでした。 TRMMで得られる降雨の3次元データはその分布をグローバルに明らかにするものであり、気候変動予測に大きく寄与するものです。


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