JAXAトップページへ
 サイトマップ
trmm_first_plt_j.jpg

pr_pam3d_small_j.jpg



TRMM 降雨レーダ サイクロン(パム) ― 降雨の水平分布、降雨の3次元構造 ―

 これらの図は12月8日17時57分〜18時02分(世界時)に、TRMMがサイクロン(パム)の中心付近を観測した時の降雨強度分布を示しています。
 上の図は高度2.0kmでの降雨強度の水平分布を表しており、これに米国の静止気象衛星GOES-9(ゴーズ9号)の雲画像(赤外)を重ねて表示しています。渦を巻いているように見えるのがサイクロン(パム)です。サイクロンの中心は南緯20度、西経161度付近と考えられます。南半球のため、渦巻きは時計回りになっています。北西から南東への2本の白い線は降雨レーダの観測幅(220km)を示しています。図中のカラー表示は降雨レーダから求められた降雨強度で、暖色系ほど強い雨が降っていることを示しています。
 特徴的なのは、サイクロン周辺の降雨の微細構造が広範囲にわたり明瞭に観測されていることです。降雨レーダは鉛直分解能250m、水平分解能約4kmとなるように設計されており、画像にはその性能が現れています。衛星搭載型であるTRMMの降雨レーダでは地上レーダとは異なり、場所による分解能の差がほとんどないという利点を持っています。
 赤外画像ではサイクロン中心付近が全面雲で覆われているのに対して、降雨レーダでは中心の東側のみ降雨域が観測されています。このような非対称性は興味深く、おそらくサイクロンが衰退期であるためと考えられます。
 下の図は線ABで切った降雨強度の3次元構造で、サイクロンの内部の降雨構造をとらえたものです。カラーで示された断面はサイクロンの中心付近を含む降雨強度の鉛直分布を、また断面の後ろの白および灰色の立体は、レーダで測定された降雨エコーの高さ(降雨がある領域の最も高い所)を示しています。この図ではひとつの降雨の断面のみを示していますが、観測幅全ての降雨についても、その3次元構造が観測されています。鉛直断面の左側で水色で示された降雨域の中に降雨の無い白色域がある部分はサイクロンの「目」の一部と思われ、その回りの強く、かつ背の高い降雨と、その外側に100km以上広がった雨域構造が明瞭に測定されています。これまでの気象衛星では、雲の頂上付近しか観測できなかったのに対して、雲内部の降雨の3次元構造を測定できることがこのレーダの大きな特長です。


EORCホームへ
JAXAトップページへ サイトポリシー