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台風第10号(NAMTHEUN)


 日本の南海上を西北西にゆっくりと進む強い台風第10号(NAMTHEUN)を、TRMMのPRが捉えました。盛夏の時期の台風は、強い太平洋高気圧に阻まれて動きが遅くなり、また時として迷走することもあるため予報するのが大変難しくなります

 左図は7月27日6時(日本時間)にPRによって観測された高度2kmにおける降雨分布をGOES9号で観測された雲画像に重ねたものです。この台風では、小さな目の回りに壁雲に相当する強い降雨域があり、その外側にまた無降雨域があるというあたかも目が2重になっているような構造をしています。またさらにその外側には、レインバンドと呼ばれる細い線状の強く降雨域(赤い領域)が螺旋状に存在していることがわかります。

 右図は左図の線A-Bに沿った降雨分布の鉛直断面と立体構造図です。台風の目の周りに高さ10kmまで達する降雨があり非常に強い雨が降っているのがわかります。


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