TRMM History
ブレッドボードモデル
衛星からのレーダによる降雨観測を実現するには、多くの難しさがあります。例えば、数百kmの高度から弱い雨を充分な分解能で検出すること、雨からの反射に比べて極めて強い地表面からの反射による妨害を防ぐこと等です。また、レーダで測定された反射波の強さから降雨強度を精度よく求めるデータ処理手法の開発も重要な要素です。
日本では1970年代の後期に、郵政省通信総合研究所(CRL)が世界に先駆けて航空機搭載レーダを開発し、NASAゴダード宇宙飛行センター(GSFC)との共同航空機実験等を通して衛星搭載レーダの研究を行ってきました。TRMM搭載降雨レーダの概念設計、キーとなるコンポーネントの試作及び部分的なブレッドボードモデルの試作はCRLにおいて行われました。その後NASDAがその成果を引き継ぎ、CRLと協力しつつ降雨レーダを開発しました