Newsインド北部の大気汚染の改善をGOSAT-2 CAI-2が捉えました

インド北部やネパールでは以前から大気汚染が深刻な問題となっています。この地域での大気汚染の主な原因は自動車や工場からの排気ガスですが、盆地という地形的性質から汚染された大気が停滞しやすいことも一因となっています。
2020年3月25日、インド政府によってCOVID-19の感染抑制のためインド全土にわたる厳格なロックダウンが実施されました。自動車やトラックなどの交通量が大幅に減少し、工場も閉鎖や活動量の減少がみられ、大気汚染が劇的に改善されました。その結果、インド北部のパンジャブ州やネパールの首都カトマンズからは数十年ぶりにヒマラヤ山脈が目視で見晴らせるようになりました。
図1はインド北部・ネパール付近をGOSAT-2 CAI-2で捉えた画像です。左側が2019年3月31日、右側がロックダウン後の2020年3月31日のものです。
上段の図はバンド2(441nm)、バンド4(865nm)、バンド1(339nm)の各反射率をRGBに割り当てた画像です。
中段は撮像日のバンド2の大気上端反射率と、撮像日前後1か月のデータから算出した地表面反射率との差分で、エアロゾルによる光散乱が大きい、つまりエアロゾルが多いと大きな値を示します。
下段は同じ領域に対して簡易的に算出したエアロゾルインデックス(バンド2の大気上端反射率-バンド2の地表面反射率)/(バンド1の大気上端反射率-バンド1の地表面反射率)の画像です。UV吸収性エアロゾル(黒色炭素)が多いほどこの値が大きくなります。
これらの図から2020年3月にエアロゾルが減少し大気汚染が改善されたことがわかります。


図1 インド北部・ネパール付近のRGB画像(上段)、バンド2反射率と地表面反射率との差分(中段)、紫外吸収を強調した画像(下段)。雲と積雪部は簡易的に除去。

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