News40年ぶりに形成された南極海の巨大ポリニヤ

2017年9月中旬の海氷に覆われた南極海に突如巨大なポリニヤが形成されました。
図1は2017年9月25日におけるパス番号19のGOSAT/TANSO-CAIの画像で、南極海の海氷に覆われた海域の中にオランダと同面積の巨大な穴が形成されているのが分かります(赤枠)。このような穴をポリニヤと呼びます。
図2は、図1の赤枠の領域を拡大した2017年9 ~ 11月のウェッデル海周辺の画像で、11月の融解期まで巨大ポリニヤが維持されているのがわかります。ポリニヤは風や海流による海氷の移流によって一般的に沿岸部で形成されますが、このように沖に巨大なポリニヤが形成されることは非常に珍しい現象です。このような巨大ポリニヤは例年形成されているのではなく、最後にウェッデル海で観測されたのは1976年と、人工衛星による観測が始まって間もないころとなります。このポリニヤの形成メカニズムにはまだ不明な所が多く、多くの極域研究者が解明に向けて研究を続けています。

※カラー画像は、TANSO-CAIのバンド2(674 nm)、バンド3(870 nm)、バンド1(380 nm)の各データをRGBに割り当て作成

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図1 2017年9月25日パス番号19のGOSAT-TANSO/CAIの画像

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図2 2017年9月15日~11月30日の期間におけるウェッデル海周辺のGOSAT/TANSO-CAI 画像

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