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2014年2月3日 「しずく」観測データのアメリカ海洋大気庁(NOAA)での利用について

米国海洋大気庁(NOAA)は2014年6月1日から宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2012年5月に打ち上げた第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)に搭載されたマイクロ波放射計2(AMSR2)の観測データを、熱帯性低気圧の発生や発達の監視のために活用すると発表しました。

JAXAとNOAAは2011年にGCOMデータの利用についての覚書(MOU)を締結しており、NOAAはAMSR2が観測したデータを地上受信局を通して

JAXAに伝送する一方で、受信したデータを自ら利用しています。

可視光や赤外観測による雲画像で台風の内部構造を把握できない場合でも、AMSR2のマイクロ波観測は雲を通して明瞭に捉えることが可能です。2013年11月にフィリピンに甚大な被害をもたらした台風30号の際には、AMSR2が観測したデータは、NOAAのハリケーンセンターにより、台風の位置や降雨量の特定、構造の解析のために活用されました。その結果などから、AMSR2の観測により得られたデータは台風30号のような勢力が強い台風の観測に適しており、予報の精度向上につながることが認められました。

JAXAは今後も、貴重な衛星観測のデータを有効活用するための開発に努めて参ります。

静止衛星赤外観測(MTSAT-1R)
静止衛星赤外観測(MTSAT-1R)
マイクロ波観測(AMSR2:89GHz-H偏波輝度温度)
マイクロ波観測(AMSR2:89GHz-H偏波輝度温度)
輝度温度とは地表面かや大気中から放射される特定の周波数の電波を表すもの。