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図1: ロンドニア地方の11年間にわたる森林伐採の状況。
左: 1995年のJERS-1 SARモザイク、右: 2006年PALSARモザイク
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アマゾンは森林伐採で有名です。1990年の総伐採面積が415,000km2だったのが2000年には587,000km2に増加し、その10年間で失われた森林面積はポルトガルかウルグアイの2倍の面積と報じられています*。また、なぜ伐採が進行するかについては、家畜の総数と伐採面積が比例し、ブラジル牛肉の輸出つまり外貨獲得に関係すると報じられています。森林伐採および森林火災はCO2吸収源を減少させ、地球環境に悪い影響を与えることから好ましいことではありません。そのために、伐採箇所を監視するのは重要なことです。伐採箇所は1990年代からLバンドSARで簡単に推定できることがわかってきました。レーダ画像は伐採されていないところは中間程度に明るく(レーダー散乱断面積で-7dB)、伐採されたところは非常に暗い(レーダー散乱断面積で-15dB)のです。画像からこの暗さ以下のところを拾ってやれば伐採場所が求まります。つい最近のEORC報告でも10年間の伐採を取り扱いましたが、今回、ロンドニア地方西部でより大規模な伐採が見つかりましたので、お知らせします。図1右がこの地方を5月16日から8月4日までに観測したPALSARのモザイク画像です。一方、図1左は10年前に作成したモザイク画像です。ほぼ同じところを切り出しています。画像の大きさは、図の下にスケールを入れてありますが、左右約400kmです。この中に、黒く見えるところが伐採領域、灰色に見えるところが森林領域です。10年前の画像と比較すると暗い領域(伐採地)が広がっているのがおわかりいただけます。一部分を拡大すると図2になりますが、魚の小骨のようにみえる伐採地が大きく広がっています。
* David Kaimowitz, Benoit Mertens, Sven Wunder and Pablo Pacheco, "Hamburger Connection Fuels Amazon Destruction1 - Cattle ranching and deforestation in Brazil's Amazon," CENTER FOR INTERNATIONAL FORESTRY RESEARCH
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