PALSAR (ScanSAR)による北海道周辺の地峡風分布 (2006年6月8日)
PALSAR (ScanSAR)による北海道周辺の地峡風分布 (2006年6月8日)

PALSAR (ScanSAR)による北海道周辺の地峡風分布 (2006年6月8日)
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津軽海峡、陸奥湾付近の拡大図

津軽海峡、陸奥湾付近の拡大図
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図1は2006年6月8日にALOS/PALSARのScanSARモードにより観測された北海道周辺の画像に、陸上の標高、Seawinds/QuikSCATによりおおよそ3時間半前に観測された海上での風ベクトルを重ねた図である。PALSARデータは入射角に依存した傾向を除き濃淡を強調して表示した。

PALSARの海上での反射強度は海上風の風速・風向と関係を持ち、おおよそ、風速が大きいほど反射強度が大きい(画像上で明るく表示される)。図では、宗谷海峡、石狩平野、寿都、津軽海峡の風下側(日本海側)で反射強度が大きく、QuikSCATによる海上風パターンとよく対応している。これは、地形の影響を受けて生じる地峡風の海上での分布を表しており、特に、寿都での局地風は「寿都のだし風」として知られている。図2は津軽海峡、陸奥湾付近の拡大図で、標高の低い陸奥付近から風が陸奥湾に吹き込み、湾内に風速の強弱の分布が形成されている。このようにPALSARは、QuikSCATでは観測が出来ない沿岸付近の詳細な風速分布を観測することが可能である。

ここでの風のパターンは、初夏から夏にかけて東北・北海道の太平洋側に冷害をもたらす「やませ」の東風に対する典型的なパターンであり、これらの局地風のパターンが沿岸域の海水温に与える影響も確認されている。今後、実側の風データとPALSARデータを対応させることでPALSARの反射強度から沿岸の風速分布を推定することが可能となる。

© METI, JAXA

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