PALSARで観測したスマトラ島西方沖地震

平成20年2月20日 17時8分(日本時間、以下同じ)、インドネシア・スマトラ島西方にあるシムル(SIMEULUE)島において、深さ34kmを震源とするM 7.4の地震が発生しました。JAXAでは2月22日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のPALSAR(パルサー)により現地の緊急観測を実施し、観測データを解析した結果、以下のような被災地の地殻変動パターンが確認できました。

図1は、平成20年2月22日1時26分頃に取得した「だいち」搭載のPALSAR(パルサー)*1の画像データ(図2)と、平成18年10月3日に同じくPALSARで取得した画像データを差分干渉処理*2させて得た地殻変動図です。これは平成18年10月3日から平成20年2月22日までの507日間における衛星-地面間の距離の伸び縮み具合を面的に色で表したものです。震源のほぼ真上にあるシムル島で大きな地殻変動が確認され、ここでは隆起を含んだ地殻変動(地面が衛星に近づいたこと)が確認できます。

なお、今回観測できた範囲では地殻変動を表す色の変化がおよそ5周期(1周期=11.8p)確認され、少なくとも59cm地面と衛星の距離が縮んだことが確認できました。


インドネシア・スマトラ島西方にあるシムル(SIMEULUE)島を平成20年2月22日1時26分頃(JST)に取得した「だいち」搭載PALSARの画像データ(図2)と、平成18年10月3日に同じくPALSARで取得した画像データを差分干渉処理させて得た地殻変動図。平成18年10月3日から平成20年2月22日までの507日間における衛星-地面間の距離の伸び縮み具合を面的に色で表したもの

図1: 地殻変動画像 (クリックで拡大画像へ)

平成20年2月22日1時26分頃(JST)に取得した「だいち」搭載PALSARのインドネシア・スマトラ島西方にあるシムル(SIMEULUE)島の画像データ

図2: 地震後の画像 (クリックで拡大画像へ)


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