2007年3月から福岡市沖の博多湾で「白潮」と呼ばれる赤潮が発生していました。この様子を4月20日観測のAVNIR-2画像で確認することができました。白潮とは白色の植物性プランクトンである円石藻が大量発生し、海が青白く見えたり日光の反射具合では入浴剤で白濁した風呂水のように見える現象です。福岡県水産海洋技術センターによれば、円石藻類の一種であるハプト藻(Gephyrocapsa oceanica)が継続して発生しているということです。魚介類に対する毒性はありませんが、白潮発生時の海中は視界が悪く、サザエやアワビなどの潜水作業や天然ワカメ採取への影響が心配されています。
図1は2007年4月20日に観測されたAVNIR-2画像です。図2は昨年の同時期である2006年5月4日に観測されたAVNIR-2画像です。両画像を比較すると博多湾沖から志賀島、相ノ島の海域にかけて青白色の海域が広範囲にわたって分布していることが確認できます。
図3は米国地球観測衛星TERRA, AQUA搭載の光学センサMODISによる2007年3月3日から4月29日の画像を連続的にアニメーションで表示したものです。雲の影響が少ない画像だけを並べていますので、時間間隔は不連続ですが、4月中旬には白潮は東に移動している様子が分かります。
参考
» 福岡県水産海洋技術センター
» 「AVNIR-2で見た2006年春から初夏の赤潮」
図3: 2007年3月3日から4月29日のMODIS観測画像(アニメーション)
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