データ利用研究事例
9. 雪氷
SARインターフェロメトリィによる湖氷厚さの推定
JERS-1 SARインターフェロメトリィによる湖氷厚さ変化の検出

JERS-1 SARインターフェロメトリによる湖氷厚さの変化

Fig. 1: JERS-1 SARインターフェロメトリによる湖氷厚さの変化.(クリックで拡大画像へ)


アラスカ北部の地図 Fig. 1は、JERS-1データを使用したインターフェロメトリックSARで観測されたアラスカ北部の湖氷の厚さ変化を示します。この地区には、水深数m程度のツンドラ湖と呼ばれる淡水湖が散在していて、9月に凍結し始め、翌年の6月まで成長し続け、厚さ2mにも達します。また、この氷からのマイクロ波散乱は氷の底面からの散乱が支配的であることが確認されています。
繰返し観測インターフェロメトリックSARでは2時期の散乱の位相差が観測されます。支配的な散乱には氷の中を往復する経路が含まれるため、位相差には氷の厚さ変化の情報が含まれることになります。
Fig. 2は、1993年4月2日及び5月16日に取得した44日間の位相差画像です。湖氷の成長モデルと照合させて解析を行った結果、図中に矢印をつけた湖(a, b, c)では氷が8cm程度成長していることが判明しました。この例に示すように、インターフェロメトリックSARは観測対象物表層の位置変化だけではなく、観測対象物内部のマイクロ波散乱の変化を捕えられる可能性があります。

NASDA EORC編集JERS-1 Earth Viewより抜粋
©JAXA EORC

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