データ利用研究事例
5. 防災·災害
SARによる地殻変動モニタリング
岩手山雫石の地殻変動の検出

岩手山雫石近辺の地殻変動図

Fig. 1: 岩手山雫石近辺の地殻変動図.(クリックで拡大画像へ)

岩手山雫石近辺のSAR画像及び変動の模式図

Fig. 2: 岩手山雫石近辺のSAR画像及び変動の模式図.(クリックで拡大画像へ)


岩手の位置 1998年9月3日16時58分に岩手県雫石付近で発生したマグニチュード6.1(気象庁発表:震源地、北緯39度48分, 東経140度55分)の地震及び岩手山の火山性活動に伴い生じたと考えられる地殻の変動をJERS-1 SARデータで検出したものです。二枚のSAR画像(1997年11月5日と1998年9月9日)を干渉処理し、標高補正、軌道誤差補正、季節の違いによる屈折率の高度分布補正を行い、地殻の変動成分を抽出したものがFig. 1です。薄緑色は地殻変動がないこと、緑->黄->赤は衛星へ近づく視線方向の変化、緑->青->紫は衛星から遠ざかる変化をぞれぞれ表します。また、色の一周期は11.7 cmの変化を表します。これから二種類の特徴が読みとれます。1)岩手山頂を一点とした一辺20 kmの三角形領域で数 cm程度の変化(水蒸気の局所的な影響が残っていると思われる)、2)葛根田川流域の断層を境に西側に最大48 cm程度の隆起。第一の特徴は、設置しているGPSが少なく検証は困難です。また、水蒸気による疑似地殻変動の可能性があります。第二の特徴は、現地調査の結果と非常に良く一致しております。

NASDA EORC編集JERS-1 Earth Viewより抜粋
©JAXA EORC

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