データ利用研究事例
11. 水文·水資源
アマゾン·ジャウ川流域における洪水の季節変化
アマゾン·ジャウ川流域における洪水の季節変化

アマゾン洪水期のジャウ川における水位の空間分布

Fig. 1: アマゾン·ジャウ川流域における洪水継続期間.(クリックで拡大画像へ)


ジャウ川の位置 アマゾン川とその支流の水位は、雨季と乾季で8-10mも変化すると言われています。洪水地帯は水性動植物にとって重要な生育地であり、気候変化に欠かせないメタン及びその他微量ガスの源となっています。洪水分布の正確な情報は、植物の生育可能性評価の改善と大気中に放出する微量ガスの地域分布の算出に必要とされていますが、現在のところ、洪水の時系列かつ空間的変化の知見が不足しているため正確な洪水量の評価がなされていません。
しかしレーダーセンサは、雲を透過するだけでなく、増水によって樹冠が浸水した森林域とそうでない地域とを区別することが可能です。この画像は、アマゾン洪水期のジャウ川における水位の空間分布を示しており、洪水期間を色分けして表しています。ジャウ川の水位は、雨季と乾季では8m程度変化していることが分かります。このように熱帯雨林地域における洪水の時系列かつ空間分布が明らかにされたのは初めてのことです。
将来的には、ここで開発した手法はアマゾン川流域の広範囲モザイクデータセットを利用することにより、アマゾン川全流域に適用することが可能です。この結果、大陸規模での安定した洪水パターンの推測が可能となります。このような洪水情報は、気象変化のモデル化とメタンの自然発散量の評価に必要です。

NASDA EORC編集JERS-1 Earth Viewより抜粋
©JAXA EORC/JRC

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