防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による霧島山(新燃岳)噴火における緊急観測結果(10)

2011年1月19日午前1時27分頃(日本時間以下同じ)、霧島連山・新燃岳で噴火活動が始まり、同27日以降たびたび爆発的な噴火が繰り返し発生してきました。噴火後、宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)は、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による緊急観測を継続的に実施し、噴火活動のモニタリングを行っています。今回2011年2月20日にALOS搭載のLバンド合成開口レーダ・PALSAR(パルサー)による観測が行われ、2010年11月20日に同じ軌道から取得した画像と比較し、噴火に伴った地殻変動の検出を試みました。「だいち」は南から北へ飛行しながら、新燃岳を含む領域を観測しました。
図1: 全体図(数値標高データはSRTM3を使用)
図1: 全体図(数値標高データはSRTM3を使用) 青枠は図2で示すPALSAR観測領域を表します。
図2は噴火前(2010年11月20日)と噴火後(2011年2月20日)のPALSARデータから得られた差分干渉画像(地殻変動図)です。この画像の中で新燃岳の西北西(図中赤丸内)に顕著な色の変化が見られ、これは同心円状に地面が衛星から遠ざかっているパターンを表します。すなわち噴火に伴い、図中赤丸内で沈降を含む地殻変動が起こった可能性が考えられます(※一部大気による影響も含まれると思われる)。これは、今噴火に関わったマグマ溜りが新燃岳直下ではなくやや西北西にあり、噴火活動に伴ってこのマグマ溜り内の圧力が低下した、ということを示唆している可能性があります。
図2: PALSAR差分干渉画像(地殻変動図)
図2: PALSAR差分干渉画像(地殻変動図)

JAXAでは今後も「だいち」による新燃岳周辺の観測を継続していく予定です。

©JAXA EORC