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ぼくたちは、地球観測衛星「みどり2」が集めたデータを解析している人たちを訪問してきたよ。毎日どんなことをしていているのか、「みどり2」のデータからどんなことがわかるのかなど話してもらったよ。 |
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●どんな仕事をしているの?
「みどり2」という地球観測衛星が集めてきたデータを調べて、私達の生活や地球の未来に役立つよう考えています。
ファーブル昆虫記って読んだことあるかな?「ふんころがし」の観察が有名だけど、ファーブルは次のように観察しています。
観察 => 興味、なぜ? => 考える => 観察
この繰り返しです。私たちの仕事もファーブルが虫たちの生活を不思議に思い、熱心に観察を続けたのに似ています。私達が観察しているのは地球観測衛星「みどり2」が集めたデータです。このデータをじっくり見て、このデータから何がわかるのか考えます。
その場、その場の地球の様子を観察したり、きのう、今日、明日と地球の様子を表す値がどう変化しているのかを観察することもあります。数年前の値と比較することもあります。長い時間続けて観察することで見えなかったことが見えてくることもあるので、ねばり強く観察します。変化があれば、何によってこの変化が起こったのか原因を考えたり、わかったメカニズムから将来を予測したりもしています。いっけん、何の関係もないよう見えることでも、関係づけることにより、その原因やメカニズムがわかってくることもあるので、いろいろなデータをいろいろな角度から見ていきます。
地上で人間が動けるのはせいぜい数キロメートルで、飛行機に乗っても地球全体は見られません。地球観測衛星では地球全体を見ることができるので、国境は気にせず、地球全体をじっくり見て、地球や私達の未来のことを考えています。
観察し、考え、わかったことは、いろいろな人に伝えなければ意味がないので、どんなことがわかったのか、私達の生活にどう役に立つのか、地球は今どんな状態なのかなど、人に説明することも私たちの重要な仕事です。
●「みどり2」ではどんなことを観察しているの?
「みどり2」は、地球のいろんな現象を見るために「光の目」「電波の目」など、5つのちがう目を持っています。この目をセンサーと呼んでいます。1つの目だけでは見えないことを、それぞれの目で見て観察しています。5つの目で見ることにより、1つの目だけでは見えないことがいろいろ見えてきます。
中島さんは、可視光線〜赤外光線のセンサー、つまり、「光の目」で集めたデータを担当しています。このセンサーは、人間が目のしくみと似ているので、私たちが見なれた写真のような画像で見えます。
今岡さんは、電波を観測するセンサーつまり「電波の目」から得られたデータを担当しています。このセンサーは電波望遠鏡と同じようなしくみです。電波なので雲があっても見えます。天気が悪くて雲が地球をおおっていても宇宙から地球が見えるのです。
●「みどり2」でどんなことがわかったの?
「みどり2」のデータの解析はこれからも何年もかけて続けていくことになるのですが、これまでにわかったことはこんなことです。写真をクリックすると大きな写真が見られるよ!
- 北極の氷がたくさん溶けた
2003年は北極の氷が例年よりもたくさん溶けたことがわかりました。これは、北極の氷を「電波の目」と「光の目」の両方で見ることによりわかりました。雲の下は電波の目、雲の動きや形は光の目でみます。この1年だけのデータで地球温暖化と結び付けることはできませんが、他の年と比較することにより、明らかになりました。
| 北極周辺の積雪と海氷の様子(2003年4-9月) |

4月 |

5月 |

6月 |

7月
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8月
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9月
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- ロシアの森林火災を宇宙からモニタリング
昨年春〜初夏にロシアのバイカル湖周辺で森林火災がありましたが北日本に煙りが流れている様子を見ることができました。宇宙から見ると火元の位置(赤色で示しています)や、煙の広がりがよくわかるので、どのように消火したらいいのかなど消火活動でも役に立てることができます。
北日本に流れ込む森林火災の煙が発生しているバイカル湖周辺の画像
- 中国の洪水を宇宙からモニタリング
中国で洪水がありましたが、その様子をモニタリングすることができました。発生前と発生後の様子を比較することにより今後の防災に役立てることができます。
| 「光の目」で見たホワイ河(中国) |

2003/6/25 |

2003/9/1 |
- 火山噴火のモニタリング
火山の噴火があり、噴煙の流れる様子をモニタリングすることができました。火山灰は飛行機の運行のさまたげになるので飛行機の安全運行に役立てることができます。
マリアナ諸島・アナタハン島の火山噴火による噴煙
- 天気予報
これまで、海上のデータは船で観測してきたのですが、海は広くてすべての領域に船が浮かんでいるわけではないので、ほしい時間にほしい場所のデータを得ることはできません。衛星であれば、大気の様子がリアルタイムで観測できるので、天気予報に役立てることができます。
| 猛烈な台風14号(マエミー) |

電波の目で見た台風 |

光の目で見た台風 |
●これから「みどり2」のデータで何をしていくの?
情報としての信ぴょう性を高めるために、3年くらいかけて、データの精度をあげ、より正確なデータにしていきます。
「みどり2」は2003年のデータを集めてくれたので、データから2003年の特徴を探ろうとしています。そして、なぜ、そのような特徴がうまれたのかなどを考えます。5つの目で見て集めたデータを、いろいろ組みあわせ、関連づけることで新しい発見があるかもしれません。
人工衛星で集めたデータはたいへん価値があり、十数年後の人にとっても役立てることができます。たとえば、アメリカのノアという衛星のデータは、20年以上前のものなのに、現在も利用され、私たちの生活に役立っています。だから、今の小学生や中学生が、大人になった時にも、「みどり2」のデータを解析すると、新しい発見があるかもしれません。
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みんな、地球観測の仕事がどんな仕事なのかわかったかな。地球観測の仕事に興味をもったかな?
どうして五十嵐さんたちが、地球観測の仕事につこうと思ったのか聞いてみたよ。 |
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●なぜ、地球観測の仕事をするようになったの?
(五十嵐さん)
学生の時から、物理に関心がありました。光や電波が見るものと作用しあってものの性質や様子が分かることを使って、地球環境が測れることがわかって、ますます面白くなり、地球環境観測の道に進むことにしました。
(中島さん)
私は、東京郊外のベッドタウンで生まれ育ったので、自然へのあこがれがありました。私が子どもの時には、林など自然がたくさんあったのに、だんだん林が住宅地になっていき、気づくと遊び場が少なくなっていました。ある時、林が宅地化されることにより、その土地の温度が上がるということを知りました。とても興味があったので、自分でも、気象庁のアメダスのデータをもとに、関東地方の気温の変化を調べてみると、実際に温度が上がっているという結果を出すことができ、感動しました。ちょうどそのころ、ある科学雑誌でランドサットという人工衛星が紹介されリモートセンシング(地球観測)のことを知りました。アメダスで関東地方のことを調べたのと同じように、人工衛星のデータを使うと地球全体のことがわかるのだと知り、さらに興味がわいてきました。とてもおもしろそうだったので、大学院にすすみ、リモートセンシングの研究をすることにしました。就職するころ、「みどり2」のプロジェクトが始まったばかりで、センサーの設計もすることになり、それ以降、ずっと「みどり2」にかかわっています。
(今岡さん)
学生時代は、宇宙が好きで、電波で見る天文観測をしていました。電波で観測すること、測ることがとても好きだったので、仕事でも同じようなことがしたいと思い、この仕事につきました。地球から空を見て観測していたことを、今は、空から地球を見てしています。将来は、地球だけでなく、他の惑星にも目を向けて、地球と比較していきたいですね。
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最後に、将来地球観測の現場で働きたいな...と思っている人たちへのメッセージをもらったよ。 |
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私たちの職場、宇宙航空研究開発機構 地球観測利用推進センターにはいろんな人がいます。日本人だけでなく外国人もいます。コンピュータが得意な人もいれば、船に乗ってプランクトンをとっている人もいます。いかに速くデータを送るかを考えている人もいれば、人工衛星から送られてきたデータをきれいなグラフにしている人もいます。それから、データをたくさん使ってもらうために、世界中の利用者と話し合いをしたり、様々なサービスを提供している人たちもいます。それぞれの分野でそれぞれの得意分野をいかして、みんなが地球観測活動を支えています。だから、自分の興味をもっている分野を掘り下げ、得意な分野で一生懸命がんばっている人であれば、どんな分野の人でも活躍できると思います。
ただし、一つのことを深く見ただけでは見えないこともあります。得意な分野だけにこだわることもいいけれども、いろんなことを見て、関連させることにより見えてくることもあるので、広い視野で、いろんなことを見てほしい。
興味をもったら掘りさげ、とりあえず、進み、他との関連性を見ながらまた考える。つまずいたら別の視点で見てみるということも大切ですね。それから、観察して考えているだけでなく、わかったことを、人に伝えることが重要です。いろんな人に説明できる能力、わかりやすく伝える力、人に伝えたいと思う熱意、どんな人にも正確に伝わるような公平な目、そんなものが必要ですね。
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五十嵐さん、中島さん、今岡さん、どうもありがとうございました。 |
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