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Q5-5: |
中学校の数学の授業の中で、連立方程式がどのようなところで活用されているかを生徒に提示したいと考えています。気象衛星等から送られてくるデータの解析処理、画像化の際に連立方程式の計算を行っていると聞いたのですが、詳しく教えてもらえますか? |
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A5-5: |
連立方程式を用いる衛星データの処理は線型、非線形を含め多々あります。その中で、恐らく最もよく使うのが幾何補正の部分だと思います。以下に述べるのは陸域を観測する光学センサの場合です。
一般的に、衛星から取得したそのままのデータは衛星軌道(衛星は動いています)、センサから地球を見ている方向(視線ベクトル)や地球の自転などの具合で、画像化(可視化)すると歪んだ画像になります。通常、衛星から送られてくるシステムの情報を計算すればある程度地図化することはできますが、植生を調査したり、土壌を調査したりする人たちのために衛星データから位置の正確な主題図を作成する必要があることもあります。そのような場合、地上の位置と衛星画像の位置と正確に一致する必要があります。一般的には幾何補正と呼ばれる処理ですが、下の図のようなイメージだと思ってください。
例えば、ADEOS-II/GLIという衛星センサのデータに対しては、特に正確な位置あわせのために、GCP(画像座標と対応する地上座標のデータ)と呼ばれる点データを用いて衛星の位置と姿勢を逆算しています。この幾何補正の方法は非線形連立方程式でかつ少々難しいやり方をしてますので、以下では一般的かつ簡単な例に致します。
衛星がほぼ直下をみていて対象領域の凸凹が衛星高度に比べて十分に小さい場合は、変換前の座標を(u,v),変換後の座標を(x,y)、変換のパラメータをa11,a12,a13,a21,a22,a23とした時、アフィン変換という単純な変換をすることで割と十分な地図投影が可能です。
アフィン変換は
で表されます。上記のGCPのデータを用いて、最小二乗法により、係数a11,a12,a13,a21,a22,a23を決定いたします。つまり、GCPがn個あるとすれば、
が成り立つa11,a12,a13,a21,a22,a23を求めればよいということになります。これを各a11,a12,a13,a21,a22,a23について偏微分して0とすれば、6つの式ができます。
(5)〜(10)式からa11,a12,a13,a21,a22,a23を算出いたします。算出できたら、これらを再び(1)(2)式に代入して元の画像全ての画素(u,v)を代入すれば幾何変換された画像(x,y)を得る事が出来ます。(5)〜(10)式はまさに連立方程式です。
連立方程式は衛星データの処理の中では数多く使われます。例えば、その他に
- 多変量解析(主成分分析等)による物理量のモデル化
→ 水・熱・土砂・栄養塩・植生などとの衛星データの関係づけ
- 土地被覆分類
→ 土壌、農地、森林、都市、などの分類分け
- Linear Mixture Model
→ 1ピクセル内の各植生・土壌・水分等の面積割合の推定
など(まだ沢山在ります)にも応用されています。EORCでは現在こうした解析を進めているところです。 |
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