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地球が見える 2017年

「しずく」が捉える台風5号の雨と風

気象庁の発表によると、平成29年7月21日に発生した台風5号「ノルー」は、8月5日朝にかけて強い勢力を維持したまま、九州南部・奄美地方に接近する見込みです。8月4日午後2時現在、台風5号は奄美大島の東の約190kmの海上でほとんど停滞しており、中心気圧は950hPa、中心付近の最大風速は40.0m/sです。図1は、JAXAひまわりモニタで可視化した、静止気象衛星「ひまわり8号」が捉えた、8月4日14時の台風5号の雲の様子です。

「ひまわり8号」による、平成29年8月4日14時00-09分(日本時間)の台風5号のRGB合成画像。

図1 「ひまわり8号」による、平成29年8月4日14時00-09分(日本時間)の台風5号のRGB合成画像。

このように、「ひまわり8号」は台風による雲の様子を詳細に連続的に観測可能ですが、残念ながら、台風の雲の中の雨の様子や、海面付近での風速を測ることは出来ません。

図2は、JAXAの水循環変動観測衛星「しずく」に搭載されている、マイクロ波放射計AMSR2によって観測された、7月30日~8月4日の台風5号の雨の変化の様子で、「ひまわり8号」で観測した雲分布の上に重ねて描いています。マイクロ波放射計は、大気中の雨粒や氷粒、地表面や海面などから放射されている微弱なマイクロ波という電波を観測する測器であり、「ひまわり8号」では測ることができない、雲の下の雨の構造や、風の強さなどを捉えることができます。AMSR2の観測から、時間の経過と共に、台風による雲の中心部にある雨域が、「台風の目」の周囲にドーナツ状に組織化され、さらに8月4日には台風の目の東側に雨域が集中したことがわかります。

「しずく」搭載AMSR2による台風5号の降雨分布。ひまわり8号の雲画像の上に重畳。上段左から、平成29年7月31日13:09、7月31日1:18、8月1日2:01、下段左から8月2日12:57、8月3日13:42、8月4日1:47(日本時間)に観測。

図2 「しずく」搭載AMSR2による台風5号の降雨分布。ひまわり8号の雲画像の上に重畳。上段左から、平成29年7月31日13:09、7月31日1:18、8月1日2:01、下段左から8月2日12:57、8月3日13:42、8月4日1:47(日本時間)に観測。

図3は、おなじくAMSR2で観測された、同じ時期の全天候海上風速の変化の様子です。全天候海上風速は、雲の影響を受けにくい周波数帯を使うことで、台風の下でも風速を測ることができます。7月30日頃には60m/s近くあった台風直下の風速が、時間の経過とともに分布や強さを変え、8月4日の段階では台風の目の付近の風速は、30-40m/sを観測しており、雨にも風にも注意が必要です。

「しずく」搭載AMSR2による台風5号の全天候海上風速の分布。上段左から、平成29年7月31日13:09、7月31日1:18、8月1日2:01、下段左から8月2日12:57、8月3日13:42、8月4日1:47(日本時間)に観測。

図3 「しずく」搭載AMSR2による台風5号の全天候海上風速の分布。上段左から、平成29年7月31日13:09、7月31日1:18、8月1日2:01、下段左から8月2日12:57、8月3日13:42、8月4日1:47(日本時間)に観測。

このように、「しずく」は日本付近を約1600kmの観測幅で1日2回、雲に影響されず、昼夜も問わずに観測できるため、台風による雨の風の分布の変化を監視するのに適しています。また、「しずく」の観測データは、気象庁や世界各国の気象機関による数値気象予報の入力データとして使われており、気象予報の精度をあげるために活用されています。

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