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地球が見える 2010年

スリランカ仏教の聖地、キャンディ

 スリランカといえば、世界有数の紅茶の産地として有名です。旧国名セイロンは、有名な紅茶のブランド名でもあります。このセイロン・ティーのふるさとがキャンディ周辺の丘陵地帯です。

キャンディと丘陵地帯
キャンディと丘陵地帯
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図1 キャンディと丘陵地帯

 図1は、ランドサット7号が2006年1月に撮影した画像に、ALOS(だいち)が2009年1月に撮影したキャンディとその周辺画像を埋め込んだものです。スリランカ中央部一帯は標高1,000 mを超す山々が連なり、熱帯地方でありながら温暖な気候です。豊富な水源に恵まれ、イギリス植民地時代に紅茶のプランテーションとして開発されました。画像中央の中部州は、山々に囲まれた盆地の中にキャンディやヌワラ・エリヤがあります。州都キャンディはシンハラ王朝最後の都です。またヌワラ・エリヤは一年中温暖な気候で、茶の集積地として発達する一方、避暑地としても開発されました。
キャンディという名前は、シンハラ語の「カンデー・ウダ・ラタ(高い山の国)」の初めの部分をヨーロッパ人が誤って発音したのが始まりで、そのまま一般化したそうです。北方で栄えていたシンハラ王朝が、インドからの侵入者に追われて南下し、最後に、ここキャンディに落ち着いたのは、1474年のことでした。周囲の山々が外部からの侵入を阻み、1815年にイギリスにより滅ぼされるまで、300年にわたり繁栄を続けました。
1988年には、スリランカ仏教の聖地として、「聖地キャンディ」の名前で、ユネスコ世界遺産に登録されています。仏陀の歯(仏歯)があるとされる仏歯寺が街の東にあります。

古都キャンディとその周辺
古都キャンディとその周辺
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図2 古都キャンディとその周辺

 図2はキャンディ周辺の拡大画像です。緑色の山々に囲まれた標高500 m程の狭い盆地にキャンディの街はあります。北へ3 kmほどのところ、この盆地を流れるマハウェリ川の川沿いにある町カトゥガストタは、運搬などの仕事に使われるゾウが水浴びをすることで知られています。
南西6 kmほどのところにあるペラデニヤ植物園は、14世紀に造られた庭園で、1821年に植物園として開設されたものです。アジア最大級の植物園で、面積は約60万m2、東京ドームが10個以上入ります。4,000種類もの植物が植えられていますが、その中には、平成天皇が皇太子時代に美智子さまと植えられた木もあります。

キャンディ市街の拡大画像
キャンディ市街の拡大画像
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図3 キャンディ市街の拡大画像
(Google Earthで見るキャンディ(kmz形式、5.25 MB低解像度版))

 図3はキャンディ市街の拡大画像です。画像中央のキャンディ湖は人造湖で、シンハラ王朝最後の王となったスリー・ウィクラマ・ラジャシンハによって、12年かけて造られたものです。街はその北側と西側に向かって広がっているのが分かります。
北側には仏歯寺や王宮跡を見ることが出来ます。仏歯寺はスリランカを代表する仏教寺院で、寺院内に奉納されている仏歯は紀元前543年に仏陀がインドで火葬されたときのものだそうです。さらにその北側の緑色の部分は、ウダワッタキャレー自然保護区で、鳥の姿が多く見られます。  なお、西側には公共施設が集中しています。

仏歯

 伝説では、仏歯は4世紀に、インドからもたらされました。以来、仏歯はスリランカの王権の象徴となり、仏歯をめぐって戦争も起こりました。仏歯寺は、シンハリ王朝が仏歯を祀るために、16世紀に建てられたものです。18世紀には、寺に大切に保管されている仏歯を、外に持ち出す祭りが始まりました。年に一度、真夏に行われるペラヘラ祭りです。スリランカの各地から神聖な動物とされる象が集められ、仏歯を載せた象を中心に、100頭もの象が列をなして行進するのです。祭りのクライマックスでは、象の行列の周囲で、何千人もの人々が踊りを繰り広げます。



観測画像について

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)及び
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2009年1月29日05時12分頃(世界標準時)(AVNIR-2)
2007年3月11日05時12分頃(世界標準時)(PRISM)
地上分解能: 10 m(AVNIR-2)および2.5 m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図2、3は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

濃緑: 森林
明るい緑: 農地、草地
明るい青灰色: 市街地
茶色: 裸地
白: 建物、雲
青: 海、湖

 PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。  AVNIR-2の、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5 mのカラー画像を作成することができます。図2、3はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。
図2、3の一部で白黒に見える部分は、AVNIR-2画像が雲に覆われていたため、白黒画像のPRISM画像だけを用いています。そのため、周囲のパンシャープン画像と比べて色が付いていません。

観測衛星: ランドサット7号 (米国)
観測センサ: セマティック・マッパー (ETM+)
観測日時: 2006年1月23日(世界標準時)(図1)
地上分解能: 30 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 ここでは米国メリーランド大学のGlobal Land Cover Facility (GLCF) Earth Science Data Interfaceのサイトから無料でダウンロードしたデータを用いました。可視域のバンド3 (630〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)、バンド1 (450〜520ナノメートル)に赤、緑、青色を割り当ててカラー合成したので、肉眼で見たのと同じ色合いとなります。

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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