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地球が見える 2009年

ピンク色の湖、ナトロン湖・タンザニア

図1 ナトロン湖
(Google Earthで見るタンザニア・ナトロン湖(kmz形式、3.42MB、低解像度版))
図1は2008年8月に捉えた中央アフリカ東部タンザニア連合共和国にあるナトロン湖の画像です。ケニアの首都ナイロビから120km南のケニアとタンザニアの国境近くに位置します。湖の色がピンク色をしているのがわかりますでしょうか。この色の正体は、アオコです。日本の湖沼では緑色の粉をまいたような現象が多く、アオコとよんでいますが、ここナトロン湖のアオコは緑色ではなく、色鮮やかな赤色系です。
ナトロン湖は強いアルカリ性の塩湖で、この塩分を好む藍藻(らんそう)類と呼ばれる微小生物(スピルリナ)が持つ赤い色素が赤、ピンク、オレンジと多彩な色を生み出しています。

ナトロン湖には、フラミンゴの大きな群れが棲息しています。その数は250万羽ともいわれています。日中の気温が40℃を超える暑い乾燥した環境、そしてアルカリ性の塩湖という特殊な環境の中で生きています。このような環境だからこそ天敵も少ないので繁殖もしやすいのでしょう。
フラミンゴの種類の中でもレッサーフラミンゴと呼ばれる比較的小型のフラミンゴは、ここナトロン湖が唯一の繁殖地になっています。このレッサーフラミンゴの主食がこの藍藻類です。フラミンゴのピンクの色はこの藍藻類の赤い色素から得られており、餌が少なくなるとフラミンゴの色は白くなります。

ナトロン湖の南側にあるオルドイニョ・レンガイ山(標高2,960m)は、現在も活動している活火山です。マサイ族の言葉で神の山という意味です。この山は、富士山によく似た急峻な山で、噴出する溶岩は普通の黒色の溶岩と違い、ナトリウムやカリウムを多く含み、灰色をしています。

図2 ナトロン湖の拡大図
図2はナトロン湖の一部を拡大したものです。ナトロン湖は単なる塩湖というだけではなく、湖の底や周辺から炭酸ナトリウムを噴き出しているソーダ水の湖でもあります。湖に浮き出ている丸い渦のような塊は、このソーダが結晶したものです。渦の大きさは20mにも及びます。

このような独特な生物多様性を有することから、2001年にナトロン湖盆地はラムサール条約湿地に指定されました。
  このナトロン湖は長さ50km、幅20km、水深3mの大きな湖ですが、沙漠化の影響でどんどん縮小し続けており、やがては草原になるといわれています。フラミンゴの餌場もいつかは消えてしまいます。希少なフラミンゴの絶滅を救うには地球の温暖化を少しでも食い止める必要があります。



観測画像について:


(図をクリックすると2 段階で拡大します)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)(図1及び図2)
観測日時: 2008年8月7日08時01分頃(世界標準時)
地上分解能: 10m(AVNIR-2)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2 は、4 つのバンドで地上を観測します。可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

茶色: 裸地、サバンナ
赤・青: 水域
灰色: オルドイニョ・レンガイ山
白: 雲 、ソーダの結晶

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
世界の瀑布(その2) 大地の裂け目に落下するヴィクトリアの滝、ザンビア・ジンバブエ
アフリカ最高峰、キリマンジャロ山を立体視
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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