地球が見える 2008年
守礼の邦・琉球王国、沖縄本島
沖縄本島は、北は辺戸(へど)岬から南は喜屋武(きゃん)岬まで南北約135km、東西では一番幅があるところでも28kmの細長い島で、面積は1,207km2です。図ではあいにくと北側が雲で隠れていますが、中南部は良く見えています。
沖縄では離島が多いですが、図の左端には渡嘉敷村のチービシ諸島のきれいな砂浜、さんご礁が見えています。図の右側には、琉球の神々の島・先祖の魂が留まる処として崇められている九高島が見えます。 本島の左端には、米国等への国際コンテナ船、奄美・鹿児島・本土や台湾へのフェリー、周辺離島へのフェリー・観光船が停泊する那覇港、そして香港や台北にも航路を持つ沖縄観光の拠点、那覇空港が見えます。那覇空港に接続しているのは、2003年開業の沖縄都市モノレール線(ゆいレール)で、那覇空港駅は日本最西端の駅です。琉球王国の古都、首里(しゅり)まで運行しています。 図の中央に見えるのがその古都の中心、首里城です。本部町の美ら海(ちゅらうみ)水族館と並び、国営沖縄記念公園の一つとして1992年に首里城公園としてオープンしました。首里城跡は、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして、2000年に国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)の世界文化遺産リストに登録されました。なお、登録されているのは首里城跡で、復元された首里城は世界遺産ではありません。 図の右には大きく突き出た勝連半島、そして平安座(へんざ)島を結ぶ海中道路が見えています。この平安座島と宮城島の間の埋立地にある数多くの白い円形の構造物は沖縄石油基地の石油タンク群です。約63万坪の敷地に45基(貯油能力450万キロリットル)の巨大タンクが配備され、日本の原油消費量の約6日分に相当する原油を貯蔵しています。 図の上には沖縄本島の水がめ、有効貯水量6,900,000m3の倉敷ダムが見えています。1996年に東シナ海に流れる比謝川上流に建設されました。沖縄本島は年平均2,151mmと雨が多いのが特徴ですが、台風や梅雨の時期に降雨が偏っており、洪水や渇水の被害を受けやすいため、このダムは沖縄本島に住む人達の暮らしを支えています。
西海岸には、万座毛(まんざもう)があります。琉球王国の王が、万人が座れると言ったことから名前がつきました。その名の通りの広い野原と象の鼻のような岩が特徴です。 万座毛の近くにはJAXAの沖縄宇宙通信所も見えています。直径10m、18mそして30mの大きなパラボラアンテナがあります。見学は無料ですので、どうぞおいで下さい。 東シナ海に突き出た大きな半島は本部半島です。沖縄が三山(北山、中山、南山)時代と呼ばれていた頃(1322〜1429年)、北山の中心であった今帰仁城(なきじんぐすく)跡があります。今帰仁城も2000年に首里城跡と同様に世界遺産に登録されました。この今帰仁城と本部町の八重岳は日本一早く咲く桜(ピンク色の琉球寒緋桜)の名所となっています。 古宇利(こうり)島は、周囲8kmの島で屋我地(やがじ)島との間には、無料で渡れる橋としては日本一の長さを誇る1,960mの古宇利大橋(2005年開通)がかかっています。屋我地島と本部半島の間には、大小の小島が点在する松島のような羽地(はねじ)内海が広がっています。半島の左側に見えるのは瀬底島、水納(みんな)島、伊江島で、いずれも美しい砂浜を抱えています。 半島の突端には、巨大なジンベイザメが泳ぐ世界最大級の沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館があります。1975年に開催された沖縄国際海洋博覧会の敷地に建てられています。 沖縄本島は、南国の観光地として開発が進んでいますが、山原地方などの自然も大切にしながら発展していくことが期待されています。
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