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地球が見える 2008年

守礼の邦・琉球王国、沖縄本島

図1 沖縄本島
図1は、その昔、琉球王国(14〜19世紀)が栄えた沖縄の中心、沖縄本島です。琉球王国は守礼の邦とも呼ばれ、礼節を重んじる国として明や清時代の中国や東南アジアとの貿易で繁栄した国でした。現在でも台湾や東南アジアとの貿易や南国としての観光地として発展しています。
沖縄本島は、北は辺戸(へど)岬から南は喜屋武(きゃん)岬まで南北約135km、東西では一番幅があるところでも28kmの細長い島で、面積は1,207km2です。図ではあいにくと北側が雲で隠れていますが、中南部は良く見えています。

図2 沖縄本島中南部
図2は、那覇市、沖縄市を中心とした沖縄本島の中南部地域です。図からもわかるようにほとんどが市街地化されており、緑が少なくなっています。
沖縄では離島が多いですが、図の左端には渡嘉敷村のチービシ諸島のきれいな砂浜、さんご礁が見えています。図の右側には、琉球の神々の島・先祖の魂が留まる処として崇められている九高島が見えます。
本島の左端には、米国等への国際コンテナ船、奄美・鹿児島・本土や台湾へのフェリー、周辺離島へのフェリー・観光船が停泊する那覇港、そして香港や台北にも航路を持つ沖縄観光の拠点、那覇空港が見えます。那覇空港に接続しているのは、2003年開業の沖縄都市モノレール線(ゆいレール)で、那覇空港駅は日本最西端の駅です。琉球王国の古都、首里(しゅり)まで運行しています。
図の中央に見えるのがその古都の中心、首里城です。本部町の美ら海(ちゅらうみ)水族館と並び、国営沖縄記念公園の一つとして1992年に首里城公園としてオープンしました。首里城跡は、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして、2000年に国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)の世界文化遺産リストに登録されました。なお、登録されているのは首里城跡で、復元された首里城は世界遺産ではありません。
図の右には大きく突き出た勝連半島、そして平安座(へんざ)島を結ぶ海中道路が見えています。この平安座島と宮城島の間の埋立地にある数多くの白い円形の構造物は沖縄石油基地の石油タンク群です。約63万坪の敷地に45基(貯油能力450万キロリットル)の巨大タンクが配備され、日本の原油消費量の約6日分に相当する原油を貯蔵しています。
図の上には沖縄本島の水がめ、有効貯水量6,900,000m3の倉敷ダムが見えています。1996年に東シナ海に流れる比謝川上流に建設されました。沖縄本島は年平均2,151mmと雨が多いのが特徴ですが、台風や梅雨の時期に降雨が偏っており、洪水や渇水の被害を受けやすいため、このダムは沖縄本島に住む人達の暮らしを支えています。

図3 沖縄本島北部
(Google Earthで見る沖縄本島 (kmz形式、3.4MB、低解像度版))
沖縄本島北部は中南部と違い、緑が多い地域です。図3の地域より北側も含めて山原(やんばる)と呼ばれています。残波岬から名護湾までは美しいビーチが点在しています。沖縄に来たならばこの辺りから水平線に沈む夕陽を眺めて見ることをお勧めします。きっと思い出に残ることでしょう。
西海岸には、万座毛(まんざもう)があります。琉球王国の王が、万人が座れると言ったことから名前がつきました。その名の通りの広い野原と象の鼻のような岩が特徴です。
万座毛の近くにはJAXAの沖縄宇宙通信所も見えています。直径10m、18mそして30mの大きなパラボラアンテナがあります。見学は無料ですので、どうぞおいで下さい。
東シナ海に突き出た大きな半島は本部半島です。沖縄が三山(北山、中山、南山)時代と呼ばれていた頃(1322〜1429年)、北山の中心であった今帰仁城(なきじんぐすく)跡があります。今帰仁城も2000年に首里城跡と同様に世界遺産に登録されました。この今帰仁城と本部町の八重岳は日本一早く咲く桜(ピンク色の琉球寒緋桜)の名所となっています。
古宇利(こうり)島は、周囲8kmの島で屋我地(やがじ)島との間には、無料で渡れる橋としては日本一の長さを誇る1,960mの古宇利大橋(2005年開通)がかかっています。屋我地島と本部半島の間には、大小の小島が点在する松島のような羽地(はねじ)内海が広がっています。半島の左側に見えるのは瀬底島、水納(みんな)島、伊江島で、いずれも美しい砂浜を抱えています。
半島の突端には、巨大なジンベイザメが泳ぐ世界最大級の沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館があります。1975年に開催された沖縄国際海洋博覧会の敷地に建てられています。

沖縄本島は、南国の観光地として開発が進んでいますが、山原地方などの自然も大切にしながら発展していくことが期待されています。



観測画像について:


(図1〜図3、図をクリックすると2段階で拡大します)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2007年12月15日11時12分頃(日本標準時)、
2007年11月16日11時14分頃(日本標準時)
地上分解能: 10m(AVNIR-2)および2.5m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
PRISMは地表を520〜770ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
AVNIR-2のバンド1(420〜500ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド3 (610〜690ナノメートル)を青、緑、赤色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5mのカラー画像を作成することができます。
図1〜3はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。 この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

深緑色: 森林
緑色や黄土色: 草地、畑地(さとうきび畑等)
薄茶色: 砂浜
青っぽい灰色: 市街地、道路
濃紺: 深い海
水色、明るい青緑色: 浅い海
白: 雲、建物の屋根
黒: データのないところ

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
八重山諸島と「ちゅらさん」の島
サンゴ礁特集②衛星からサンゴ礁の分布をとらえることができるか
サンゴ礁特集①いま、サンゴ礁に何が起こっているか
琉球王国のグスクおよび関連遺産群  [日本・沖縄]
地球が見える 陸地・地形

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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