地球が見える 2006年
マレーシアの首都、クアラルンプールとペトロナス・ツインタワー
点在する雲が白く見え、雲の左下には雲の陰が黒く見えています。光学センサでは白い雲の下に何があるかは見えません。また、雲がもたらす陰によって、その部分の地表面が暗くなって判別しにくくなります。 クアラ・ルンプールとはマレー語では「泥の川の合流地」という意味です。19世紀半ばにスズ鉱山開発のために開拓された街で、掘り出されたスズを洗ったクラン川とゴンバック川の合流した場所を中心に繁栄してきました。合流地点の西側には独立広場(ムルデカ・スクエア)が、四角く芝で覆われた広場として容易に識別することができます。ここは1957年8月31日、イギリスより独立したマラヤ連邦の国旗が始めて掲げられた地です。独立広場の周りにはイギリス植民地時代の19世紀後半から20世紀初頭の建物が多く、イギリス植民地時代の面影が残されているそうです。 独立広場の北から西に向かう幅の広い道路の行き止まりには国会議事堂が見えています。その道路を挟んで樹木に覆われたところがレイク・ガーデンです。レイク・ガーデンの東南部に接して、大きな灰色の人工構造物が見え、その上にぎざぎざとした円形のものが濃い灰色で見えます。そこは国立モスク、マスジット・ネガラです。マレーシアの国教はイスラム教と法律で定められており、ひときわ目立つ建物となっています。国立モスクの東にクアラルンプール駅があります。かつて、この駅は、南はシンガポール、東はコタ・バル近郊のトゥンパット、北はペナン島に近いバタワースやタイ南部のハジャイとの間を結ぶマラヤ鉄道の列車が発着するターミナル駅でしたが、2001年に開業したクアラルンプール中央駅にその役割を譲りました。 独立広場の脇からクラン川を東に進むと白い大きな雲で川が見えなくなっていますが、その雲の南側、大きな白いデッキ状の低層階を押さえつけるように2本の直列の陰を従えたビルが見えています(陰は二つのビルが並んでいる方向に伸びているので少々見づらくなっています)。これが、世界一高いツインタワー、88階建て高さ452 mのペトロナス・ツインタワーです。タワー1は日本のハザマ、タワー2は韓国のサムスンが建設しました。なお、単独のビルでは台北国際金融センター(台北101)が高さ508 mで世界一です。
クアラルンプールはこれまでマレーシアの首都として発展してきましたが、現在、クアラルンプールの南方25kmのプトラジャヤに首都機能を移しつつあり、2010年には新しい首都が完成する予定です。
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