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地球が見える 2006年

レナ川沿いの永久凍土の街:シベリア、ヤクーツク

図1 AVNIR-2が捉えたレナ川とヤクーツク周辺
図1は先月(2006年6月)初めに陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)が捉えたヤクーツクの周辺です。雲が多いですが、レナ川が南から北へ流れていて、川幅がおよそ10 kmまで広がっていることが分かります。これは雪解けの時期に当たるためです。ヤクーツクはロシア連邦を構成するサハ共和国の首都で、図の上方のレナ川左岸に見えています。

(a)1995年4月29日 (b)1994年6月25日 (c)1995年7月26日
 
(d)1995年9月8日 (e)1995年10月22日  
図2 JERS-1/VNIRが捉えたレナ川の季節変化
図2は地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1) に搭載された光学センサが1994年と1995年に捉えたヤクーツク周辺の画像です。観測年を気にせずに観測月日で並べて、季節変化を見てみると、4月末はまだ図全体が雪と氷に覆われて、レナ川は凍っており、6月は雪解けで川幅が最も広く、7月と9月が通常で、10月になると川幅は細くなって、雪が積もり始めることが分かります。
図2bや図2dを見ると、大半は濃い緑で、タイガ(針葉樹林)に覆われていて、湖や沼が点在していることが分かりますが、その他に、黄土色や薄緑色の四角や台形の集まりが所々に見えています。これらは木材を得るために伐採された場所と思われます。

図3 AVNIR-2によるヤクーツク市街地
(Google Earthで見るヤクーツク (kmz形式、2.54MB、低解像度版))
図3はヤクーツク市街地のトゥルーカラーによる拡大図です。図3の右下半分はレナ川で、広い川幅の中に複雑な形の中州が見えています。所々雲がかかっていますが、上方にはヤクーツク空港が、右には客船ターミナルが、左には文化と憩いの公園が見えています。図中央やや下には正方形のレーニン広場が見えており、そのすぐ左上にサハ共和国の政府庁舎があります。マンモス博物館は左下のヤクート大学の中にあり、永久凍土研究所博物館はさらに左下にあります。



観測画像について:
(図1及び図3)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年6月5日2時52分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2は、4つのバンドで地上を観測します。図1では、可視域のバンド3 (610〜690ナノメートル)、近赤外域のバンド4 (760〜890ナノメートル)、可視域のバンド1 (420〜500ナノメートル)の各バンドに赤、緑、青色を割り当てているので、いずれも肉眼で見た色に近い色付けで植生をやや強調した合成画像です。雲は白く、市街地は灰紫色に、森林は濃い緑色に、草地や畑地は薄い緑色に、水面(湖、池、川など)は黒く見えます。データのないところも黒く表現されています。
図3では、いずれも可視域のバンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、雲は白く、市街地は青っぽい灰色に、建物の屋根は赤、青、白など、そのままに、森林は深緑色に、草地や畑地は薄い緑色に、水面(湖、池、川など)は濃紺に見えます。

(図2a〜図2e)
観測衛星: 地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)
観測センサ: 可視近赤外放射計 (VNIR)
観測日時: 1995年4月29日(図2a)、1994年6月25日(図2b)、1995年7月26日(図2c)、1995年9月8日(図2d)及び1995年10月22日(図2e)
地上分解能 18.3 m×24.2 m
地図投影法: UTM (ユニバーサル横メルカトール)
可視域のバンド2 (630〜690ナノメートル)、近赤外域のバンド3 (760〜860ナノメートル)、可視域のバンド1 (520〜600ナノメートル)の各バンドに赤、緑、青色を割り当てているので、いずれも肉眼で見た色に近い色付けで植生をやや強調した合成画像です。雲は白く、市街地は灰紫色に、森林は濃い緑色に、草地や畑地は薄い緑色に、水面(湖、池、川など)は黒く見えます。データのないところも黒く表現されています。

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
地球が見える 陸地・地形

付録:
サハ共和国の面積は310万km2で、日本の面積の8倍以上あり、国土の大部分は永久凍土に覆われています。また、サハ共和国東部(ヤクーツクの東約850 km)のオイミャコンでは1926年1月に-71.2℃の最低気温が計測されたと言われており、北半球の寒極が位置しています。主な産業は、ダイヤモンドや金、銀、石炭を始めとした鉱業、林業、木工業で、石油、天然ガスも埋蔵されています。特にダイヤモンド生産はロシアの99%、世界の25%以上を占めています。
レナ川はバイカル湖の西岸のバイカル山脈に源を発して概ね北東に流れ、ヤクーツクの辺りで北に向きを変え、北極海の一部であるラプテフ海に注ぎます。全長4,400 kmで世界で10番目に長い川です。レナ川流域の雪解けは南側の上流から始まるため、中・下流でしばしば洪水が発生します。2001年5月にはヤクーツクの西南西800 kmのレンスクの全市が水没する被害を受けました。
近年、シベリアでは融け出した永久凍土の中から冷凍保存された状態のマンモスが見つかる事例が増えていますが、これは地球温暖化の影響と考えられます。昨年(2005年)、愛知県で開催された愛・地球博で公開されたマンモスの頭部は、ヤクーツクの北約1,200 kmのユカギル村の近くで2002年秋に発見され、一旦、マンモス博物館に運びこれまれ、その後、日本に空輸されました。
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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