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地球が見える 2006年

2005〜2006年の冬のオホ−ツク海の海氷分布

図1 2006/01/23 図2 2006/02/06 図3 2006/02/15
図4 2006/03/10 図5 2006/03/28 図6 2006/04/05
オホーツクの海氷分布 (Aqua/AMSR-E) ムービー
(3.64MB)   (16.9MB)
図1〜6を含む動画は、NASAの地球観測衛星Aquaに搭載されているJAXAの改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-Eから算出した昨年(2005年)12月1日〜今年(2006年)5月8日のオホーツク海の海氷分布です。アムール川河口や間宮海峡付近で凍り始めた海氷が面積を広げながら南下して1月の下旬に北海道のオホーツク海側に達し、2月上旬に接岸した後、北上・後退しながら縮小していく様子がわかります。
この冬のオホーツク海全体の海氷域面積は例年と比べて少ない状態で経過しました。気象庁の統計によれば、特に2005年12月から2006年1月にかけて、1971年の統計開始以来最小レベルで推移しました*1
海氷には、海水と大気を遮断することや、太陽光を反射する割合が海水面と比べて4〜8倍も大きいという特徴があります。そのため、大気と海洋の熱や水蒸気のやりとりに大きな影響を与えています。また、地球温暖化による海氷の減少も心配されるなど、地球規模での気候変動と非常に密接にかかわっている現象の一つであると考えられており、海氷の観測はとても重要となっています。 しかし、海氷の北海道への接近はほぼ例年通りでした。オホーツク海に面した網走市では、2006年1月23日に陸上から流氷を初めて観測した日となる「流氷初日」を、そして2月6日には沿岸が流氷で覆われて船舶の航行ができなくなった「流氷接岸初日」を観測しました。
その後の流氷の勢力は弱く、北海道オホーツク海側における流氷の接岸状態は長続きしませんでした。網走市では、2月15日には沿岸に水路ができ船舶の航行が可能となったことを示す「海開け」が観測され、そして3月25日には流氷が最後に観測された「流氷終日」となりました。海明け、流氷終日ともに平年より大幅に早いものでした*2
このため、網走市の流氷観光船「おーろら」の乗客数は前年比1/3以上の減少となるなど、流氷観光は不振で、地元の経済に大きな影響を与えました。
一方、稚内市では4月5日に流氷が陸上から観測され、「流氷初日」となりました。これは、平年の2月10日に比べて54日も遅く、1946年の統計開始以来最も遅い記録でした。この氷は、3月28日にサハリン南東端のアニワ岬付近にあったものの一部が西進してきたものであろうと推測されます。
1912年(日本では明治45年)に起きたイギリスの豪華客船タイタニック号の事故で知られるとおり、海氷や氷山は船舶にとって大変危険です。そのため海上保安庁や気象庁では、海氷情報を発表して付近を航行する船舶に対して注意を呼びかけています。これらの情報の基礎となる観測データの1つにAMSR-Eが利用されています*3 *4
このように、海氷の状況は気候や気象への影響のみならず、漁業や海上交通、観光といった人々の産業活動へも影響を与えています。



参照サイト:
*1海氷概報(PDF)(札幌管区気象台)
*2海氷関係のページ(網走地方気象台)
*3流氷情報センターのページ(海上保安庁)
*4海氷情報のページ(気象庁)

観測画像について:
(図1〜6及びムービー)
観測衛星: 地球観測衛星Aqua (NASA)
観測センサ: 改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-E (JAXA)
観測日時: 2006年1月23日 ( 図1)、2月6日 (図2)、2月15日 (図3)、3月10日 (図4)、3月28日 (図5)、4月5日 (図6)、2005年12月1日〜2006年5月8日(ムービー)
これらの図はAMSR-Eの6つの周波数帯のうち、36.5 GHz帯の水平・垂直両偏波と18.7 GHz帯の水平・垂直両偏波のデータを元に、AMSR/AMSR-Eのアルゴリズム開発共同研究者(PI)であるNASAゴダード宇宙飛行センターの Josefino C. Comiso博士のアルゴリズムを用いて算出された海氷密接度を表しています。海氷密接度とは、観測視野内を海氷が覆う割合を示したもので、0 %は開放水面(海面)、100 %は全て海氷で覆われている状態を示します。海氷密接度の低いところは水色で、高くなるにつれて黄色、オレンジと変化し、高いところは赤ないし濃い朱色で表示しています。陸域は灰色で、開放水面(海面)は濃い青で、データのないところは白で示しています。空間分解能は実効的に15 km程度です。

関連サイト:
流氷の季節到来2006
冬の風物詩:流氷到来
流氷の季節到来
地球が見える 北極・南極のページ

本文ここまで。
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