|
地域の区分 本データベースでは、熱帯低気圧が存在する地域を、下記のように7つの領域に区分をしています。
ただし、TRMMの観測がおこなわれているのは、PRで北緯36度〜南緯36度、TMIおよびVIRSでは北緯38度〜南緯38度の範囲です。 熱帯低気圧の分類 熱帯低気圧は、その強さや存在する地域によって呼び名が変わります。熱帯低気圧の正式な分類や命名は、世界気象機関(WMO)が地域ごとに定める「地域センター」によっておこなわれますが、本データベースでは、米国のハリケーン・センター(NHC)、中部太平洋ハリケーン・センター(CPHC)、および合同台風警報センター(JTWC)で用いられている下記の基準で分類された呼び名を用いています。この場合の最大風速は1分間平均風速の最大値が基準となっています。 太平洋北西部
太平洋北中部・太平洋北東部・大西洋北部
インド洋・太平洋南部
※1ノット(kt) = 0.51 m/s なお、日本が含まれる太平洋北西部では、この地域を担当する地域センターである気象庁の太平洋台風センター(RSMC Tokyo - Typhoon Center)により、最大風速(この場合は10分間平均風速の最大値)が17.2m/s(34ノット)以上になった熱帯低気圧が、正式に「台風」と定義されています。 台風の名称について 熱帯低気圧番号 米国などで用いられている熱帯低気圧の識別記号です。地域ごとに各年(南半球では7月〜6月を1区切りとする)に発生した熱帯低気圧は順番にこのような記号が割り当てられます。 具体的には「19W」のよう数字2桁と英字1桁であらわされます。英字は発生地域をあらわしており、仮に熱帯低気圧が消滅しないまま他地域に移動した場合でも、この記号は変更されることはありません。英字に対応する地域は以下のとおりです。
台風名 熱帯低気圧のうち、最大風速が34ノット以上になったものにつけられる名称で、「DANAS」のような固有名が用いられます。通常は発生海域ごとにあらかじめ用意された名称リストから順につけられます。 日本の台風番号 日本で用いられている「台風15号」のような名称で、正式には「台風第15号」のように表記されます。また、西暦の下2桁と番号2桁をあわせて「T0115」(2001年台風第15号の意味)のように表記されることもあります。 太平洋北西部で発生した台風は、この地域を担当する地域センターである太平洋台風センター(RSMC Tokyo - Typhoon Center)により、各年の発生順にこのような台風番号がつけられますが、この場合の台風発生基準は、同センターが定める「最大風速(10分間平均風速の最大値)が17.2m/s(34ノット)以上」です。 最大風速 ある時間帯の中での、平均風速の最大値を最大風速と呼びますが、平均風速の基準が、日本では10分間の平均値であるのに対して、米国では1分間の平均値が用いられています。 本データベースでは、米国などで用いられている基準である「1分間の平均風速の最大値」を最大風速として扱っており、単位はノット(kt)です(1ノットはおよそ0.51m/s)。 最大風速は、熱帯低気圧を分類する基準としても用いられます。米国の基準では、最大風速64ノット以上の熱帯低気圧が「タイフーン」や「ハリケーン」などと呼ばれます。また、日本では、太平洋北西部において最大風速17.2m/s(34ノット)以上に達した熱帯低気圧が「台風」と呼ばれます。 なお、風の強さや向きは常に変動しており、瞬間的には最大風速よりさらに強い風が吹くことがあります。瞬間的な風速は「瞬間風速」、ある時間帯の中での瞬間風速の最大値は「最大瞬間風速」と呼ばれ、最大瞬間風速は最大風速の1.5〜2倍ぐらいの値になるといわれています。 シンプソンのスケール The Saffir-Simpson Hurricane Scale ハリケーンを強度によってカテゴリ1〜カテゴリ5の5段階に分けたもので、ハリケーンのもたらしうる被害の大きさの指標として、米国などでよく用いられています。 各カテゴリは最大風速(ただし風速1分値の最大値)をもとに下表のように決められています。
※1ノット(kt) = 0.51 m/s 降雨強度 降雨強度とは、瞬間的な降雨の強さのことで、現在降っている雨がこのままの強度で1時間降り続いた場合に相当する雨量であらわします。 レーダによる観測では、雨粒で散乱された電波の電力から求められるレーダ反射因子(Z因子)を換算することにより、降雨強度が求められます。PRの観測では、途中の降雨による電波の減衰が無視できないため、これを補正して降雨強度が算出されています。 なお、レーダによる観測で得られるデータは瞬時での値であるため、レーダ観測による降雨強度は、実際に降る1時間あたりの積算降雨量とは異なります。 軌道番号 TRMMの衛星軌道の南端から南端までを1周として、TRMMの運用開始から通算した週回数をあらわす番号で、オービット番号、シーン番号と呼ばれることもあります。軌道番号はHDFファイルのファイル名に付けられており、TRMMの標準プロダクトのファイル単位でもあります。 本データセットでは、標準プロダクトから台風の観測されている部分を切り出して、その部分のデータを1ファイルにしているため、軌道番号が同じでも台風ごとに別のファイルとなっている場合もあります。 TRMM観測数 個々の台風についてTRMMが観測した数で、PRによる雨域と台風位置をマッチアップさせた結果によるものです。TRMMの観測と台風とのマッチアップに関しては、TRMM台風データベースのドキュメント本文を参照してください。 単位の換算 1ノット(kt) = 0.51m/s 世界標準時(UTC): 日本標準時(JST) - 9時間 |